現地時間６月23日に行なわれたEURO2020のグループリーグ最終節で、ポルトガルはフランスと２-２で引き分けて勝点を４に伸ばし、グループFの３位で決勝トーナメント進出を決めた。

　この大事な一戦で２本のPKを確実に決めたのが、36歳の大エース、クリスチアーノ・ロナウドだった。今季ここまでに早くも５ゴールを決め、得点ランキングのトップに君臨しているストライカーは、この一戦でまた偉大な記録を２つも樹立している。

　EUROとワールドカップの２大メジャーイベントでの合計得点数を21としたことで、ドイツのミロスラフ・クローゼ（20点）を抜いて単独の歴代最多得点者となったC・ロナウドは、さらに代表チームでの通算ゴールを109に伸ばし、イランのアリ・ダエイと並んで代表最多得点者となったのだ。

　今大会はすでに、最多大会出場記録（５大会）を更新した他、ハンガリー戦でドイツのバスティアン・シュバインシュタイガーを抜いてメジャーイベントでの最多出場試合記録（39試合）、さらに２ゴールを挙げたことで当然ながら５大会連続で得点を挙げた最初の選手となり、そしてEURO通算得点を11としてフランスのミシェル・プラティニが保持していた最多大会得点記録を37年ぶりに更新している。
  　まさに、試合ごとに記録を塗り替えている大偉人に対し、代表通算得点で並ばれたダエイが自身のSNSで「おめでとう、クリスティアーノ。男子サッカーの代表通算得点記録を破るまであと１ゴール。サッカー界の偉大なチャンピオンであり、世界中に影響とインパクトを与える思いやりのある人物であるロナウドと、素晴らしい記録で肩を並べられたことを誇りに思う」と祝福の言葉を贈った。

　C・ロナウドは自身の記録に対しては言及していなかったが、このダエイからのメッセージに対しては、インスタグラムのストーリーで「本当のチャンピオンは、永遠にチャンピオンであり続けます。あなたのような偉大なアイドルから、このような素敵な言葉をいただけたことを誇りに思います。感謝します」と返し、先達への敬意を表している。

　このような歴史に残る一戦となったフランス戦では、レアル・マドリー時代の前線のパートナーであり、互いにゴールを量産して多くのビッグタイトルをチームにもたらしたカリム・ベンゼマとのハーフタイムでのやりとりも話題になった。同じくチームの全得点をマークした「レ・ブルー」の背番号19と並んでロッカールームに引き揚げる途中、２人はユニホームを脱いで交換。試合中のこういった行為は物議を醸すこともあるが、今回はかつての戦友の友好的な姿に、ほとんどのファンがSNSで好意的な意見を寄せていた。

　話を代表得点記録に戻すと、専門メディア『GIVE ME SPORT』は早くもC・ロナウドの記録を破る可能性のある選手に注目。最有力候補として、代表キャップ数96ですでに63ゴールを挙げているベルギーのロメル・ルカクの名を挙げ、C・ロナウドが100試合目で40得点だったことを紹介し、28歳（まだ若い！）の驚異の得点率が続けば、「意外にC・ロナウドの天下は短いものに終わるかもしれない」と予測した。

　昨季にセリエA得点王に輝いた生けるレジェンドと、彼を擁するユベントスの一強時代を終わらせてインテルにスクデットをもたらした英雄は、奇しくも26日に行なわれる決勝トーナメント１回戦で対峙するが、非常に興味深いものとなりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部