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海外サッカー

「象徴的な暴力だ」コロンビアに心理戦を仕掛けたアルゼンチン代表守護神の言動が物議!「しゃべり過ぎ…」

THE DIGEST編集部

2021.07.10

メッシ(左)からも賛辞を寄せられたE・マルティネス。しかし、PK戦での振る舞いが物議を醸している。(C)Getty Images

メッシ(左)からも賛辞を寄せられたE・マルティネス。しかし、PK戦での振る舞いが物議を醸している。(C)Getty Images

 現地時間7月6日、PK戦にまでもつれ込んだコロンビアとのコパ・アメリカ準決勝で、アルゼンチンは勝利。同大会では5年ぶりとなるファイナル進出を決めた。
【動画】「分かるぞ、ビビってるんだろ?」アルゼンチン代表守護神の挑発シーンはこちら

 この手に汗握る熱戦で、アルゼンチンに勝利をもたらしたのは、守護神のエミリアーノ・マルティネスだ。まさに鬼神の如き雰囲気を身にまとってゴール前に立ちふさがった28歳は、ダビンソン・サンチェス、ジェリー・ミナ、エドウィン・カルドナのキックをいずれも左に飛んで止めてみせたのだ。

 試合後に大黒柱のリオネル・メッシが「今日のディブ(エミリアーノ・マルティネスの愛称)は超人的だった。彼がセーブすることはわかっていたけど、凄かった。僕らの信頼に値する選手だ」と賛辞を送るほどの傑出したセービングが、チームの違いになったのは明らかだった。

“宿敵”ブラジルの待つ決勝へ勝ち上がったアルゼンチンにとっては、会心のPK戦となった。だが、歓喜から2日が経過して、殊勲者となったE・マルティネスの振る舞いが物議を醸している。

 問題視されているのは、E・マルティネスがコロンビアに仕掛けた心理戦だ。彼はキッカーがボールを蹴る直前に、「分かるぞ。緊張してるんだろ」「さぁ早く蹴れよ」「俺はお前を食うぞ」と語気を強めてプレッシャーをかけたのだ。

 主審から「もうしゃべるな」と注意を受けもしたE・マルティネスの言動。GKが相手選手に喋りかけるシーンは決して珍しいシーンではないが、コロンビア側からは不満が噴出している。4人目のキッカーを務めたミゲル・ボルハは「しゃべり過ぎだ。俺はあいつに落ち着け、俺には神の後ろ盾があると言った。これはサッカーなのにね」と苦言を呈した。
 
 さらにコロンビア国内の非営利組織『Red Veeduriasde Colombia』は、「彼はブラジルとの決勝に出るべきではない」とCONMEBOL(南米サッカー連盟)に訴えかけた。

「我々はCONMEBOLにエミリアーノ・マルティネスがブラジルとの決勝に出るべきではないと訴える。彼はコロンビアとのペナルティー戦でヘスス・バレンズエラ主審によって追放されるべきだった。あれはコロンビアのチームに対する象徴的な暴力であり、退場に値するものだった」

 しかし、コロンビア側にもアルゼンチンの守護神を擁護する人物もいる。同国のサッカー界が誇る伝説的な名手カルロス・バルデラマは、自身のYou Tubeチャンネルで、「彼らはとてもうまく勝ち抜いた。あのペナルティーは我々が対処しなければいけなかった」と自国代表を諫めた。

「何も考えずに、頭を切り替えて蹴らなければいけないんだ。私はボルハのように言い返す気概を持ったスタイルが好きだ。他の選手たちも彼を真似しなければいけなかった。簡単じゃないんだよ。こういう試合は……」

 なお、現時点でCONMEBOLから処分は下されてはいないため、マルティネスは7月10日(現地時間)に行なわれるブラジルとの決勝に出場予定となっている。

構成●TEH DIGEST編集部
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