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海外サッカー

「もはや勝つ方法を知らない」フランス代表の“歴代最多”5戦連続引き分けに厳しい評価。守護神は「成功はもう、壊れつつある」と自戒

THE DIGEST編集部

2021.09.06

ポグバ(中央)やグリエーズマン(右)らタレントを揃えながらも勝ちきれないフランス代表に批判の声が高まっている。(C)Getty Images

ポグバ(中央)やグリエーズマン(右)らタレントを揃えながらも勝ちきれないフランス代表に批判の声が高まっている。(C)Getty Images

 現地時間9月4日、カタール・ワールドカップ欧州予選が行なわれ、フランス代表は1-1でウクライナ代表と引き分けた。

 サンドニでの同カードを1-1で終えていたフランスは、敵地キエフに乗り込んだこの一戦に、キリアン・エムバペやエンゴロ・カンテを欠き、さらにカリム・ベンゼマやラファエル・ヴァランヌらがベンチスタートとなるなど、フルメンバーとは程遠い状態で臨んだ。前半は苦しんで44分にはミコラ・シャパレンコの強烈なダイレクトミドルで先制を許したが、後半開始5分でアントニー・マルシアルが競り合いのこぼれ球を詰めて同点。またシステム変更が奏功してペースも掴んだが、相手GKの好守もあって決勝点奪取はならなかった。

 これで勝点1を加えたフランスは、通算勝点を9としてグループDの首位(暫定)を維持したが、その内訳は決定力を欠いての2勝3分けと、現役世界王者としてはやや物足りないもの。またこれで5戦連続引き分けとなり、さらにこれらの全ての試合で先制点を奪われ、悪い面でフランス代表での記録を塗り替えってしまっている。
 
 ディディエ・デシャン監督は「必ずしも良い試合ではなかったが、勝点1を獲得できた」と語りながらも、「前半の我々には必要なものが欠けており、ウクライナはデュエルと積極性に長けていた」と反省点を挙げ、常にリードを奪われる展開には「好ましいことではない。失点は特定の時間に起こっており、これを改善しなければならない」と自戒。そして、「我々は引き分けには満足していない」と、ここ数試合の状況が望んだものとは違うことを強調した。

 さらに強い危機感を募らせたのがGKユーゴ・ロリスであり、「この試合の前半、我々はコミットメントと積極性に欠けた。もっとうまくやらなければ……」と語った後、「2018年ロシア・ワールドカップ優勝の幸福感は、もう終わった。我々は、いつだって試合を有利に進められると思っていた。しかし、我々が収めた成功はもう、壊れつつある」として、“過去の栄光”に酔い続けている場合ではないと訴えている。

 このような状態の「レ・ブルー」について、母国のメディアも厳しく報じており、スポーツ紙『L’EQUIPE』は「フランスはもはや勝つ方法を知らない」と報じ、「デシャン監督はこのウクライナ戦で、W杯予選突破への周囲の疑念を払拭したいと考えていたが、実際は風味も方向性もないサッカーで相手を勢いづけ、また勝点2を失っただけだった」と記述。また、元フランス代表SBのビセンテ・リザラズによる「守備の脆さ」への指摘なども紹介した。
 

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