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日本代表

【現地発】英紙記者が明かす南野拓実の「リアル評」。出場機会の限られるリバプールで未来はあるのか?

ドミニク・キング

2021.10.16

シーズン開幕から3か月が過ぎ、プレミアリーグで出番が限られ、苦しんでいる南野。26歳の日本代表FWはなぜチャンスを得られないのか。(C)Getty Images

シーズン開幕から3か月が過ぎ、プレミアリーグで出番が限られ、苦しんでいる南野。26歳の日本代表FWはなぜチャンスを得られないのか。(C)Getty Images

 リバプールが南野拓実の獲得を決めたのは2019年12月。フィルジル・ファン・ダイク(←18年1月サウサンプトン)やアリソン・ベッカー(←18年7月ローマ)と同じように重要な新戦力として、日本代表のアタッカーをアンフィールドに迎えた。

 ユルゲン・クロップ監督やスポーツディレクターのマイケル・エドワーズら複数人からなる移籍委員会(リバプールの補強戦略を決める合議制の機関)も、狙ったターゲットを首尾よく確保できたことを喜んだ。

 南野を獲得する決め手となったのが、チャンピオンズ・リーグ(CL)の直接対決でのパフォーマンスだ。19年10月2日、レッドブル・ザルツブルクの一員としてアンフィールドに乗り込んだ南野は、1-3から1点差に迫るゴールを奪い、さらにアーリング・ハーランド(現ドルトムント)の同点弾をアシストした。

 その後、モハメド・サラーが決勝ゴールを決めてリバプールの勝利に終わったが、以前から南野を補強候補としてマークしていたクロップとエドワーズは、本腰を入れて獲得に乗り出したのである。

 このとき、南野にはリバプールの他にも複数のクラブが目を付けていた。マンチェスター・ユナイテッド、ボルシアMG、そしてミランがなかでも熱心だった。しかし、リバプールは彼らに奪われる前に行動を起こし、レッドブル・ザルツブルクが設定する契約解除違約金700万ポンド(約10億850万円)を支払い、争奪戦を制したのだった。
 

 それから2年が経とうとしているが、南野はリバプールで苦戦を続けている。昨シーズンの後半はサウサンプトンにレンタルに出され、戻ってきた今シーズンもここまで出場機会が限られている。

 プレミアリーグでは出番がなく、リーグカップのノーリッジ戦とチャンピオンズ・リーグのポルト戦の2試合に出場したのみにとどまっている。先発したノーリッジ戦は2ゴールを奪って勝利に貢献しているが、ポルト戦は3-0とリードした67分の投入で23分間ピッチに立っただけだった。

 出場機会が限られている理由のひとつは守備の問題だ。南野は高さが足りず、それが守りの局面で穴になると、クロップは懸念している。

 クロップはレギュラーを固定して戦うタイプの指揮官でもある。とりわけプレミアリーグの試合ではスタメンはほとんどいじらず、今シーズンもここまで前線の3トップは、サラー、サディオ・マネ、そしてディオゴ・ジョッタを7試合中6試合で起用している。CFの本来のレギュラーであるロベルト・フィルミーノがコンディション不良でジョッタに取って代わられているが、いずれにしてもこの4人がレギュラー格で、南野はディボック・オリギとともに控えの位置付けだ。
 
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