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日本代表

「傷、うめき声、涙、苦悩の64年間」ウェールズ代表のW杯出場決定を現地メディアはどう報じたのか? 牽引役ベイルには賛辞続々!!

THE DIGEST編集部

2022.06.06

64年ぶりの本大会出場を決めたウェールズ。(C) Getty Images

64年ぶりの本大会出場を決めたウェールズ。(C) Getty Images

 現地時間6月5日、カタール・ワールドカップの欧州予選プレーオフ決勝が行なわれ、ウェールズ代表が1-0でウクライナ代表を下して、64年ぶり2回目の本大会出場を決めた。

 ロシアの侵攻により、満足な準備ができないままプレーオフに臨み、準決勝でスコットランドに快勝したウクライナをカーディフに迎えたウェールズは、34分にガレス・ベイルがペナルティエリア左手前からFKを放つと、これに反応したアンドリー・ヤルモレンコがクリアしようとして頭で自陣ゴールに押し込んでしまうというオウンゴールによって先制。以降、ボールポゼッション、シュート数、チャンス創出数でアウェーチームに圧倒されながらも、最後までリードを守り切った。
 
 戦火の母国に喜びをもたらそうとしたウクライナの挑戦は終わり、オレクサンドル・ジンチェンコは「全員がピッチ上で全てを出し切った。負けに相応しいプレー内容ではなかったと思うが、これがサッカーというものだ」と悔しさとともに誇りを示している。また偉大なレジェンドであり、元代表監督であるアンドリー・シェフチェンコは「君たちは、我々ウクライナ人が、何があっても常に最後まで戦い、常に一緒にいることを証明した。人生の全てが結果によって決定されるわけではない」と、同胞の労をねぎらっている。

 試合後には、ピッチ上で座り込んだウクライナの選手を審判たちが慰めるという珍しい光景が見られ、ここからもウクライナに対する世界の人々の思いを改めて感じさせたものだ。ゆえに、4日前のスコットランド同様に複雑な思いを抱いてのプレーを余儀なくされウェールズだが、彼らもこの一戦に特別な熱意を注ぎ、勝利のために信じられない粘りを見せ、1958年スウェーデンW杯以降、固く閉ざされていた重い歴史の扉を力強く開いてみせた。

 エースのベイルは、苦しい90分間を終えた後、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』に対して「歴史の中で最も素晴らしい結果だ。我々は今、恍惚とした気分でいる。これこそが、我々が夢見ていたものだ。あまりの喜びに言葉を失っている。このフィーリングを説明することはできない」と心情を明かし、結果によっては引退も噂されていた代表でのキャリアについては「少しだけ(引退を引き延ばす)」と語っている。
 
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