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海外サッカー

ペルー惑わせた「クネクネGK」は30歳で代表デビュー、一時は教員志望… 豪州をW杯に導いた遅咲き守護神に世界が注目!

THE DIGEST編集部

2022.06.14

PK戦を制したオーストラリア代表の選手たちが、PK戦でゴールを守ったレッドメインに歓喜の抱擁。(C) Getty Images

PK戦を制したオーストラリア代表の選手たちが、PK戦でゴールを守ったレッドメインに歓喜の抱擁。(C) Getty Images

 現地時間6月13日、カタール・ワールドカップの大陸間プレーオフ決勝が行なわれ、オーストラリア代表がスコアレスからのPK戦(5-4)でペルー代表を下して、5大会連続6回目の本大会出場を果たした。
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 中立地であるカタールのアル・ラーヤンで開催された一戦は、一進一退のまま120分間が過ぎ、11メートルの対決へ。ここでオーストラリアのグラハム・アーノルド監督はキャプテンでもあるGKマシュー・ライアンに代わってアンドリュー・レッドメインを起用する。1番手のマーティン・ボイルが止められるも、ペルーの3番手ルイス・アドビンクラのシュートが左ポストを叩いてタイに戻ると、サドンデス突入の6巡目、ここでレッドメインが「PK戦要員」としての役割を果たし、アレックス・バレラを見事に止めてみせた。

 PK戦前のGK交代といえば、今季のイングランド・カラバオ・カップ決勝でチェルシーがエドゥアール・メンディからケパ・アリサバラガへのメンバーチェンジを敢行したが、1人も止めることなく、逆にキッカーとして11巡目で失敗という裏目に出るケースもあったが、アーノルド監督の賭けは成功。「アンドリューは優れたPKセーバーであり、ペルーの精神面に影響を与える意味もあった」と起用の理由を語っている(オーストラリアの日刊紙『THE AGE』より)。

 また、指揮官はPK戦に備えてこのベテラン守護神をカタールに連れて行くことを数か月前から決めており、またレッドメイン自身も役割を理解し、この数日間は特別にPKの練習を行なっていたという。その甲斐あって見事に殊勲者となった33歳だが、「私はヒーローではない。チームメイト同様に自分の仕事を果たしただけだ。(PK戦前に)ピッチに立っていた11人は、もっと大きなことを成し遂げた」と謙虚さを失わなかった。

「主審から『君はよく動くから、PKを止めても、VARでチェックする必要があるので、すぐに喜んで走り出したりしないように』と注意を受けた」と明かしたレッドメイン。“よく動く”とは、キッカーを惑わすための、ゴールライン上を左右に行き来しながらの奇妙な動きのことを指す。

「イスタンブールの奇跡」でのリバプールGKイェルジ・ドゥデクを彷彿とさせるものだが、所属するシドニーFCでもこの動きでPKをセーブしてタイトルをチームにもたらしたこともあり、ピンク色のユニホームを着用している彼は「ピンク・ウィッグル(クネクネした動きの意)」と呼ばれ、本拠地ムーアパークでは人気を博しているという(チームカラーと名前を掛け合わせて「ブルーメイン」とも呼ばれているとか)。そして今回、新たに「グレー・ウィッグル」の愛称が全国的に広まることとなった。
 

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