専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外サッカー

セリエAで1955年以来の珍事! ユーベ、ミラン、インテル、ローマのビッグ4が揃って敗れる波乱…一方で初昇格モンツァが歴史的初勝利

THE DIGEST編集部

2022.09.20

リーグ戦で歴史的な敗戦を喫したユベントスのアッレーグリ監督。進退問題にも発展する痛恨の1敗だった。(C) Getty Images

リーグ戦で歴史的な敗戦を喫したユベントスのアッレーグリ監督。進退問題にも発展する痛恨の1敗だった。(C) Getty Images

 先週行なわれたイタリア・セリエA第7節では、昨季王者のミランがナポリとの上位対決を1対2で落とした他、インテルがウディネーゼに1対3、ユベントスが昇格組モンツァに0対1、さらにはローマも0対1でアタランタに敗北を喫したことが、歴史的な出来事として話題となっている。

【動画】ギトケアの決勝弾でモンツァがユベントスを下す!クラブ創設110年目で歴史的初勝利

 複数の現地メディアによれば、この4つの名門クラブが揃って敗れたのは、1955年2月3日に行なわれた1954-55シーズンの第19節以来とのこと。チェーザレ・マルディーニ、ニルス・リードホルム、ジャンピエロ・ボニペルティといったカルチョ史のレジェンドが、現役選手として躍動していた時代のことだ。この時は、ミランはサンプドリアに1-3、インテルはSPALに0対2、ユベントスはラツィオに1対2、そしてローマはジェノアに0対1に、それぞれ黒星を喫している。

 ミランはセリエAでは1月18日のスペツィア戦以来の敗北であり、インテルは今季早くも3敗目、そしてローマはジョゼ・モウリーニョ監督の退場と、それぞれに話題のある中で、最も注目を集めたのが、モンツァで展開された世紀の大番狂わせだった。

 今季、オフから不調を極めていたユベントスは、セリエAではサッスオーロとの開幕戦で3対0と白星スタートを切ったものの、そこから2引き分け、スペツィア戦での2勝目を挟んで、そこから公式戦5戦連続未勝利……。クラブには、マッシミリアーノ・アッレーグリ監督の解任を求める声が日ごとに多く寄せられ、これに対して指揮官は「これらの声を楽しんでいる」と強がったことが報じられていた。

 とはいえ、モンツァ相手にも勝点3を献上することを予想する者は多くなかった。このクラブ史上初のセリエA昇格を果たしたクラブの状況はさらに深刻であり、開幕5連敗を喫し、6節レッチェ戦でようやく勝点1を獲得するも、その数日後にジョバンニ・ストロッパ監督が解任。このユベントス戦は、プリマベーラから昇格したばかりのラッファエレ・パッラディーノの初陣だった。

 しかし、ユベントスはこのプロビンチアクラブに苦しみ、40分にはアンヘル・ディ・マリアが密着マークしたアルマンド・イッツォに肘打ちを食らわせる。公式戦4試合ぶりにスタメンに復帰したアルゼンチン代表の退場で数的不利を強いられたアウェーチームは、74分に左サイドからのクロスをクリスティアン・ギトケアに合わせられて決勝点を献上してしまった。

 ユベントスがモンツァと国内リーグで対戦するのは史上初のことだったが(これまでコッパ・イタリアと親善試合で2勝)、その“歴史的”一戦で敗北。試合後、チームに大きなハンデを背負わせてしまったディ・マリアは、「試合での不適切な行為を、全ての人々に謝罪したい。リーグ戦での難しい時に、チームを数的不利に追い込み、敗戦に導いてしまった。敗北の責任は僕だけにある。本当に申し訳ない。僕はプロフェッショナルだが、ミスを犯す人間でもある、そして、それを認識する方法も分かっている」と、SNSで謝罪した。

 一方、1912年創設のクラブにとって、110年目にしてセリエAで初の勝利を、イタリアの盟主から挙げたモンツァは、歴史的な偉業に歓喜。この大都市ミラノの郊外に所在するプロビンチアといえば、2018年に元イタリア共和国首相にして、オーナーとしてミランに黄金時代をもたらしたシルビオ・ベルルスコーニが所有権を得、彼の右腕であるアドリアーノ・ガッリアーニがCEOに就任したことで、一躍世界的にも注目されるクラブとなった。

 81歳となってもなお血気盛んなベルルスコーニ・オーナーは、この勝利を受けて「ユベントスを破ったことは、新たなスタートを切る上で素晴らしい出来事だ。このチームには素晴らしいポテンシャルが秘められているが、ここまで負傷者が多かったり、初めてのセリエAでの日程の難しさなどもあったりして、それを表現できずにきた。しかし、個人的には、チームは改善されたと思う」と語り、「フォルツァ・モンツァ!」とチームを称えた。

 モンツァ生まれのガッリアーニCEOは、試合中はモンツァ大聖堂で祈りを捧げるという昨年来の習慣のためにゴールの瞬間を目撃することはなかったが、試合前にはメディアに対し、「ベルルスコーニ・オーナーと私がモンツァにやって来た頃、このクラブはセリエCでジャナやアルビノレッフェに負けていた」と語り、この4年間でいかにモンツァが変化と進化を遂げたかを強調していたが、その90分後には大きな喜びが待ち受けていた。

 緊急昇格で、いきなり大きな仕事を果たしたパッラディーノ監督は、「ベルルスコーニ・オーナーはすぐに私に電話をかけてきて『信じられない』と言った。非常に興奮しながら祝福してくれた。そしてガッリアーニCEOは涙を流し、とても感動していた」と、名物フロント陣の反応を明かし、「このような大きな責任を与えてくれた2人に感謝しなければならない。彼らは私の夢を叶えてくれた」とも語っている。

構成●THE DIGEST編集部

【関連記事】「型にはまらないスター」イタリア紙が一世を風靡した“カリスマ”中田英寿に再脚光! 伝説となったローマ時代も回想

【関連記事】C・ロナウドに囁かれる限界説… 厳しい目に晒されるレジェンドを、独誌は過去の名手と比較し「答えを出すのはまだ早い」

【関連記事】ロナウド&メッシの両雄がカタールW杯で達成可能な数々の「大記録」。伯メディアは今季絶好調の自国エースに期待!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号