現地時間11月20日より、４年に一度の祭典であるワールドカップ（W杯）が、ついに開幕する。開催国のカタールを除いた31か国の中で、日本代表は一番乗りで現地10日カタール入りした。17日には、UAEでカナダ代表とW杯前最後の強化試合を行ない、いよいよ23日にグループリーグ初戦で優勝候補ドイツと激突する。

　W杯開幕の足音が近づくにつれ、海外メディアの報道も熱を帯びてきている。そのなかで、米スポーツメディア『Vendetta Sports Media』のジェリー・ウォーカー記者は９日、カタールW杯に出場するチームプレビューのなかで日本代表を紹介している。

　同記事には「日本は直近３試合で他のW杯出場国と対戦し、負けなしだった。大きな自信を持ってＷ杯に臨むはずだ。グループEのなかでは、“SAMURAI BLUE”は過小評価されているが、彼らは予想以上にずっと難しいチームである。日本は経験豊富なチームであり、タレントも多く、ドイツやスペイン相手に１つ、または２つ番狂わせを引き起こす可能性を秘めている」と日本代表を高く評価。警戒すべきチームに挙げている。

　さらに、「日本を引っ張るのは、キャプテンのマヤ・ヨシダだ。シャルケ（ドイツ）のDFは、現在の日本代表でユウト・ナガトモの137試合に次いで2番目に多い121試合の出場記録を持っている。ヨシダ以外にも、“SAMURAI BLUE”にはヨーロッパのビッグリーグでプレーする選手が何名かいる」と主将の吉田麻也と長友佑都のベテランをキープレイヤ―に挙げながら、他の主力選手も付け加えている。

「タケヒロ・トミヤスはアーセナル（イングランド）、タクミ・ミナミノはモナコ（フランス）、そして新星のダイチ・カマダはアイントラハト・フランクフルト（ドイツ）でプレーしている。ミナミノは17得点を挙げており、現在の日本チームトップである」

　なかでも同記者が注目している選手は、フランクフルトで眩い輝きを放っている26歳の若武者だった。

「日本代表の試合を変える可能性があるのは、カマダだ。今シーズンのブンデスリーガでは、7ゴールで（現在）４位タイにつけている」
  　鎌田は巧さと強さとクレバーさを兼備し、昨シーズンは所属するフランクフルトをヨーロッパリーグ優勝に導き、今季も10月末時点でチャンピオンズ・リーグを含めた公式戦19試合で11得点・３アシストと絶好調だ。

　今年９月の強化試合アメリカ戦ではトップ下で出場し先制ゴールを決めるなど、代表でも欠かせない存在になりつつある。攻撃的なポジションだけでなく、ボランチも務めることができる鎌田のユーティリティーさは、カタール大会で日本代表の命運を握る一人といっても過言ではない。

「“SAMURAI BLUE”の2022年Ｗ杯開幕戦は、ドイツとの対戦になる。この試合で日本が有利なのは、ドイツのディフェンスが過去のワールドカップほど良くないことだ。日本のようにディフェンスのミスを素早く突くチームは、ドイツにとって非常に厳しい試合となる可能性がある。もし日本が勝利、もしくは引き分けでもすれば、2大会連続のベスト16進出が決まるだろう」と、ウォーカー記者はグループステージの戦いを予想し、日本の決勝トーナメント進出の可能性を示唆した。

　しかし、最後はやはりドイツとスペインの地力は高いと見て、“死の組”突破は難しいと判断したようだ。

「日本は６回のＷ杯でグループステージ敗退とベスト16敗退を繰り返している。4年前、彼らはベスト16に進出したが、歴史通りなら2022年はグループステージ敗退を意味する。日本がグループEを突破することは可能だろうが、そうなるとは思えない。スペインとドイツが2位以内に入り、“SAMURAI BLUE”はW杯のグループリーグを突破できず帰国することになるのだろう」

　はたして日本は、W杯の歴史を繰り返すのか。それとも――。運命の初戦は日本時間23日22時キックオフだ。

構成●THE DIGEST編集部

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