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日本代表

「メッシと写真を撮りに来たのか!?」サウジの大金星を呼び込んだ“イケメン監督”の怒声。アルゼンチン撃破の舞台裏が話題に【W杯】

THE DIGEST編集部

2022.11.25

ピッチサイドからチームを大声で鼓舞し続けたルナール。このフランス人監督の言葉に注目が集まっている。(C)Getty Images

ピッチサイドからチームを大声で鼓舞し続けたルナール。このフランス人監督の言葉に注目が集まっている。(C)Getty Images

 歴史的なアップセットでアルゼンチンを撃破したサウジアラビア。彼らの躍進の背景には、世界でも指折りの才覚を誇る指揮官による発破が多分に影響していた。

 グリーンファルコンズ(サウジアラビア代表の愛称)の躍動は世界を驚かせた。現地時間11月22日に行なわれたカタール・ワールドカップ(W杯)のグループC第1戦で、サウジアラビアはアルゼンチンに2-1と勝利。見事に下馬評を覆して快哉を叫んだ。

 もっとも、前半の内容からすれば、南米王者を相手にした逆転劇は想像できなかった。10分にPKから相手エースのリオネル・メッシに先制点を決められたサウジアラビアは守勢を余儀なくされ、まさに防戦一方という苦境に立たされていた。

 そうしたなかで、重苦しい空気を一変させたのが、指揮官のエルベ・ルナールだった。コートジボワールやモロッコを率いて辣腕を振るってきた経験を持つ54歳のフランス人は、ハーフタイムのロッカールームで、選手たちに向かって声を荒げて、こう呼びかけたのだ。

「おい、いったいここに何をしに来たんだ!? これがプレッシングなのか? メッシは中盤で自由にボールを持ってるのに、お前たちは携帯でも持って彼と写真を撮りに来たのか? いいから突っ立っていないでマークしろ! 彼らはリラックスしてプレーしてるぞ! これはワールドカップなんだぞ!」
 
 54歳の智将から発せられた怒声はチームを奮起させた。後半に入ってからインテンシティーの強度が増し、出足の鋭いプレスを繰り出せるようになったサウジアラビアは48分にサレー・アル・シェハリのゴールで同点とすると、5分後には10番を背負ったサレム・アル・ドサリが勝ち越し弾をゲット。これをしっかりと守り切って快哉を叫んだ。

 世界大会の酸いも甘いも熟知する智将による鼓舞が、チームを変貌させたのは間違いない。フランス人監督の力には、アルゼンチン・メディアも賛辞を送っている。日刊紙『Ole』は、サウジアラビア・サッカー連盟の公式ツイッターで公開されたハーフタイム中の動画を引用し、こうレポートしている。

「エルベ・ルナールは誰よりも力強かった。非常に激しい身振り手振りを交え、エネルギッシュで、激情的で、何より雄弁に選手たちを鼓舞した。彼の言葉はサッカー史に残る衝撃をもたらすことになるサウジアラビアの選手たちの心を変えた」

 端正な顔立ちから「イケメン監督」として話題になりがちなルナール。2012年にザンビアをアフリカ王者に導くなど“弱小”と見られるチームに勝利をもたらしてきた彼の手腕は、やはり伊達ではない。

構成●THE DIGEST編集部

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