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海外サッカー

「もうエリートではない」早期敗退ドイツに国内メディアで非難止まず!日本のVAR弾に嘆きも「線を薄く塗ってくれれば」【W杯】

THE DIGEST編集部

2022.12.04

2大会連続でW杯GS敗退を喫したドイツ代表。国内メディアの失望は大きく、チームへの批判は高まるばかりだ。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部/JMPA代表撮影)

2大会連続でW杯GS敗退を喫したドイツ代表。国内メディアの失望は大きく、チームへの批判は高まるばかりだ。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部/JMPA代表撮影)

 サッカー大国復活の道のりは、茨の道となりそうだ。

 カタール・ワールドカップ(W杯)で日本代表と同じグループE組で3位に終わり、決勝トーナメントに駒を進めなかったドイツ代表。国内メディアは2大会連続グループステージ敗退で失態したマンシャフト(ドイツ代表の愛称)に向け、非難の声が後を絶たない。

 ドイツの公共放送局『DW』は、「ドイツは2大会連続でW杯のグループステージ敗退となった。国内のスポーツメディアは暗いムードに包まれ、非難合戦が始まっている」と厳しい論調の国内報道をまとめた。

『DW』スポーツ部のジョナサン・ハーディング記者は現地カタールから、「ドイツはもはや、エリートチームではない」と述べ、自身のツイッターに「ドイツはここ10試合で3勝。今夜(12月1日)、2016年から明らかだったものの、誰もあえて言わなかったことを確認した。ドイツはもはやトーナメントチームではなく、(2014年W杯準決勝)ブラジル戦での勝利後、長年の自己満足の代償をまだ払っているのだ」と、現代表の停滞を指摘する。

 ドイツの週刊誌『Spiegel』は、W杯でドイツが敗退した翌日、「ミリメートル、それでもマイル」と表現した。同誌は日本のスペイン戦での勝ち越しゴール、つまりドイツが2大会連続でW杯のグループステージから敗退する運命を決定づけた2点目について、「グラウンドキーパーがラインをもう少し薄く塗ってくれていれば…」と嘆いた。

 日本の2点目は、左サイドの三笘薫がタッチラインギリギリでボールを折り返し、中央の田中碧が身体ごと押し込んでゴールしたが、ボールがタッチラインを越えたようにも見えて、VARチェックが介入。その後ボールはタッチラインを完全に越えていないと判定され、日本のゴールが認められた。

「この厚い白いゴールラインのおかげで、日本のカオル・ミトマがボールを切り返し、サムライブルーは遠くからドイツをノックアウトした」とドイツのグループステージ突破の希望が打ち砕かれたと表現した。

 また、ドイツの日刊紙『Bild』は、「4度の世界王者、3度の欧州王者、それが我々だった」と、かつて偉大で誇り高かったドイツ・サッカーの終わりを告げる大惨事だと非難する。さらに姉妹誌の『Sportbild』は、ドイツ代表に不信感を募らせる。「2018年ロシア大会の後、これ以上悪くなることはないだろうと考えていた。しかし、それは間違いだった。大惨事だ。ドイツはひざまずいている」と述べている。
 
 サッカー専門誌『Kicker』は、「あらゆるレベルで崩壊」と代表チームを評した。同誌は、「ヘッドコーチのハンス・フリック、スポーツディレクターのオリバー・ビアホフ、ドイツサッカー協会会長のベルント・ノイエンドルフなど、多くの人が責任を負っている。このままではいけない」と警報を鳴らす。

 南ドイツ新聞の『Süddeutsche Zeitung』も同じように、「この大混乱に、ふさわしい結果」とドイツ代表の深刻な事態を伝えた。同紙は、「ハンジ・フリック監督は、後方での頻繁な交代、中盤での妥協、そしてニクラス・フュルクルグが終盤に招集されるまでは、完全なストライカーがいなかったことで批判を浴びるのは間違いないだろう」とフリック監督を敗因に挙げた。

 さらに指揮官だけでなく、批判の矛先はドイツサッカー連盟(DFB)首脳陣にも及ぶ。「過去18年間DFBのスポーツディレクターを務めたビアホフが、ヨアヒム・レーヴへの信頼とロシア大会後の改革を高く評価していたが、ユーロ2020のイングランド戦、そして今回のカタールW杯でさらなる失望を招いただけだった」と近年の強化策が失敗だった点について言及した。

 グループステージ最終戦のコスタリカに4-2で勝った後、ドイツ代表のトーマス・ミュラーはドイツ公共放送局『ARD』に、「個人的には、これは絶対的な大惨事だ」と語った後、代表からの引退を示唆。そしてフリック監督は「私たちは効率性に欠けていました。それが私たちがグループステージで敗退した理由です」と力なく言葉を絞り出した。

 W杯4度の優勝を誇る大国のプライドは、中東の地で完全に砕け散り、過去の栄誉は失墜した。カタールW杯で日本をはじめアジア勢の躍進が目立つなか、ドイツは大きな転換期を迎えている。

構成●THE DIGEST編集部

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