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海外サッカー

「日本戦から崩壊は始まった」“歴史的大勝”からよもやの敗退。成長過程の若きスペイン代表に母国紙の見解は?【W杯】

THE DIGEST編集部

2022.12.07

多くの若手とともに挑んだL・エンリケ率いるスペイン。伝統のゲームを支配するスタイルを貫いたが、課題を露呈する結果となった。(C)Getty Images

多くの若手とともに挑んだL・エンリケ率いるスペイン。伝統のゲームを支配するスタイルを貫いたが、課題を露呈する結果となった。(C)Getty Images

 優勝候補の一角として大会に臨んだ“無敵艦隊”はドーハに沈んだ。

 現地時間12月6日に行なわれたカタール・ワールドカップの決勝トーナメント1回戦で、スペイン代表はモロッコ代表と対戦。スコアレスで120分を戦うもPK戦でキッカーがひとりも成功できずに0-3と完敗した。

 グループステージ最終戦で、日本代表に1-2の逆転負けを喫し、2位通過となっていたスペイン。ゆえに緊張感があった前日会見ではルイス・エンリケ監督が奇しくも「私は1年前、選手全員に対して宿題を出した。クラブにおいて、少なくとも1000本はPKを蹴ることだ。彼らが、これを果たしたと確信している。PK戦は“宝くじ”ではなく、結果は運だけによるものではない」と強弁を振るっていたが、ロシア代表にPK戦(3-4)で屈した4年前と同様にベスト16で姿を消したのである。

 初戦でコスタリカ代表にW杯の1試合最多得点記録を更新する7得点で大勝(7-0)した今大会のスペイン。ガビやペドリといった次代を担う若手が躍動した試合では90分間で1000本を超えるパス(1003本)を成功させたうえで、ボールポゼッション「81.8%」と、いずれも同国史上最高の数値を叩き出していた。

 ゆえに一気に優勝への期待も膨らんだ。しかし、2戦目でドイツ代表に引き分けると、続く日本には先述の通りに逆転負け。白星を挙げられないまま、空しさとともに敗北した。
 
 若手が重宝された成長過程のチームではある。とはいえ、“格下”と見られていたモロッコに敗れたために、国内メディアでは失望の声が広がっている。日刊紙『Marca』は「経験豊富な選手がいないことで疑問視されながらも、ルイス・エンリケはエキサイティングな若いチームを選んだ」と指摘。コスタリカ戦の結果が「スペイン全土に夢を与え、優勝候補としての認識を高めた」とし、その後の戦いぶりを次のように評した。

「2戦目からは優勝候補だという見通しが曇り始めた。ルイス・エンリケのチームは圧倒的にボールを支配しながらも追加点を決めきれずにドイツから勝点1を奪うにとどまった。そして、日本との3戦目からは完全に崩壊が始まった。ボールポゼッションでは優位に立ち続けるが、フィニッシュワークで精彩を欠くという欠点を露呈したのである。ベスト16では、もはや火力は残っておらず、歴史は繰り返された」

 課題が噴出したなかで敗退の憂き目に遭ったスペイン。発展途上にあるチームが4年後のW杯に向け、どこまで向上できるかは興味深いところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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