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海外サッカー

“広州恒大”で一時代を築いた名門が2部降格。潤沢な資金力を失ったクラブの凋落に中国メディアも嘆き「弊害になった」

THE DIGEST編集部

2022.12.28

2013年にはアジア制覇も果たした広州FC。資金力でワールドワイドな話題を提供した彼らは、あっという間に衰退していった。(C)Getty Images

2013年にはアジア制覇も果たした広州FC。資金力でワールドワイドな話題を提供した彼らは、あっという間に衰退していった。(C)Getty Images

 かつて世界的に注目されたクラブの凋落ぶりが話題となっている。現地時間12月27日に行なわれた中国スーパーリーグ第33節で、広州FCは長春亜泰に1-4と完敗。これにより最終節を待たずして2部リーグへの降格が決定した。

 2021年まで「広州恒大」の名で活動していた同クラブは、潤沢な資金を武器にスター選手を次々と獲得。指揮官にも世界的に名のある人材を呼び寄せ、瞬く間にアジア・サッカー界の勢力図を変えていった。

 ムリキ、ダリオ・コンカ、エウケソン、パウリーニョ、アレッサンドロ・ディアマンティ、ジャクソン・マルティネスなどを擁した広州FCは、2011年から国内リーグ7連覇を達成。イタリアの智将マルチェロ・リッピが率いた2013年と、元ブラジル代表監督のルイス・フェリペ・スコラーリが率いた2015年には、アジア・チャンピオンズ・リーグも優勝。名実ともに、アジア最強クラブとして君臨した。

 しかし、莫大な資金力で成り上がった広州FCは、転落も早かった。今年1月に親会社を務めていた恒大グループが経営破綻を余儀なくされると、スター選手が相次いで退団。競争力を失ったチームは一気に瓦解し、ついには2部降格という憂き目に遭った。
 
 中国サッカー界の躍進の象徴とも言うべきクラブの凋落は、国内でも小さくない波紋を広げている。ポータルメディア『搜狐』は「奇跡もなく、広州FCは早期降格を余儀なくされた」と伝えたうえで、「資金力を失った彼らが2部に行くのは時間の問題だった。カネに物を言わせる彼らのやり方は常に批判されていた。外国人選手を相次いで獲得し、国内の選手の競争心を失わせたのは、中国サッカーにおいては弊害になった」と振り返っている。

 また、中国のスポーツ専門サイト『新浪体育』は「完全に時代は終わった。広州FCは給与支払いの滞納をクリアにできない限り、このまま解散する運命にあるかもしれない」と、今後の可能性を見通している。

 Jリーグ勢にとっても、たびたび脅威となる存在だった。そんな広州FCの降格は、中国サッカー界全体の衰退を象徴するような出来事と言えそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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