12年ぶりのJ復帰に対する反響はさまざまだ。

　現地１月28日、ベルギーの日刊紙『Het Belang van Limburg』は、シント＝トロイデンに所属する元日本代表MFの香川真司が、今冬にJリーグに復帰すると報道。これに続くように日本の複数メディアでは復帰先が古巣のセレッソ大阪であるとすっぱ抜かれ、彼の去就は瞬く間にSNSなどで話題となった。

　もっとも、ここ数年の彼は相次ぐ怪我に悩まされ、本領を発揮しきれない時期が続いていた。

　2010年７月にセレッソ大阪から鳴り物入りでドルトムントへ加入した香川は、2012年の夏に、プレミアリーグの名門マンチェスター・ユナイテッドに移籍してスターダムを駆け上がった。しかし、名将アレックス・ファーガソンの退任後に出場機会を失っていった2014年８月にドルトムントに復帰すると、徐々にパフォーマンスは低迷していった。

　2019年１月にトルコの名門ベシクタシュに移籍してからは、スペイン２部のサラゴサ、ギリシャ1部のPAOKと渡り歩き、昨年１月にSTVVに加入。しかし、いずれの場所でも絶対的な存在感は放てなかった。
  　浮き沈みの激しいキャリアを送った元日本代表10番の母国復帰は、海外でも小さくない話題となっている。

　サラゴサ時代から香川を熱心に追っていたスペインのスポーツ専門サイト『El Desmarque』は「カガワ、黄金期の終焉。ヨーロッパ・サッカーから日本への復帰を目前にしている」と銘打った記事を発信。そのなかで「近年のサラゴサで最も有名だった選手は、間違いなくシンジ・カガワだった」と紹介。２部からラ・リーガ昇格を目指したスペインでの挑戦と、そのキャリアを振り返っている。

「カガワは新型コロナウイルスによるパンデミックに見舞われたシーズンで、チームの金銭的な問題が足かせとなっていなければ、１部昇格を果たせたチームの一員であった。怪我に見舞われ、サラゴサでも持てる才能の片鱗を全く見せられなかった彼は、ついに故郷に戻り、おそらく最後の冒険の旅に出ようとしている」

　ヨーロッパでは12年間で５か国６クラブを渡り歩いた香川。日本人選手として確かな功績を築いたテクニシャンは、Jリーグでもう一花咲かせられるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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