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海外サッカー

デ・ヨングら故障者の復帰で、バルサの中盤が質・量ともに充実! 現地アナリストが「ベストな組み合わせ」としてアンカー起用を提示した意外な選手は?

THE DIGEST編集部

2024.10.24

足首の負傷から復帰したバルサのデ・ヨング。(C)Getty Images

足首の負傷から復帰したバルサのデ・ヨング。(C)Getty Images

 インターナショナルブレイク明けの初戦のセビージャ戦で、怪我から復帰したフェルミン・ロペスとガビが後半から途中出場し、ダニ・オルモがメンバー入りを果たした。足首の怪我で開幕から欠場が続いていたフレンキー・デ・ヨングも、10月1日のCLヤング・ボーイズ戦で復帰を遂げた。

 ここにきて故障者が次々と復帰し、バルセロナの中盤の陣容が質量ともにグッと高まっている。開幕以来、ハンジ・フリック監督は若手を抜擢しながらやり繰りしてきたが、中盤のベストな組み合わせは誰と誰なのか。アナリストのアルベル・ブラジャ氏が、突如としてレギュラークラスの実力者をベンチに置く贅沢が許されることになったフリック監督の立場に立って、膝の怪我で今シーズン中の復帰が絶望なマルク・ベルナル、バックアッパーのエリク・ガルシアとパブロ・トーレを除いた中盤のベストな組み合わせを提言している。

 定番システムの4-3-3で、ブラジャ氏がアンカーに置いたのはガビだ。「カンテラ時代から彼の本職はインサイドハーフだが、アグレッシブな守備、率先してプレスに奔走する献身性、ボールキープして味方に繋ぐ展開力を買っての人選だ」と説明。ゴール前に飛び出してフィニッシュワークに絡むガビのもうひとつの武器が、アンカーだと発揮しにくくなる点については、「周りの選手がカバーリングに回ることで解決できる」とし、逆に守備的な役割を担うことで危機察知能力が磨かれ、より完成度の高い選手に成長できると解説している。

 実際、バルサはベルナルの負傷離脱後、カサドがアンカー的な役割を務める機会が増えているが、ビルドアップ時にペドリが中盤の底でCBからボールを受けて展開し、自身はポジションを上げてパスの受け手の1人になるといった具合に、局面に応じて役割分担することでその穴を埋めている。ブラジャ氏は左インサイドハーフにそのペドリを指名。「故障の不安がなくなり、ボールを受けて前を向くターンを武器に、前述した組み立てに加え、崩し、フィニッシュに自由に絡む働きが期待できる」と論じている。
 
 そして中盤3枚のもう一角を担うのが、ダニ・オルモだ。ブラジャ氏が評価しているのが、「密集した狭いスペースでも、タメを作ったり攻撃を加速させることができる能力」で、「ペドリよりもさらに高い位置でパスを捌きながら、周りを活かして得点に絡むプレーは、ロベルト・レバンドフスキやラミネ・ヤマルとの相性も抜群」と力説する。

 これがブラジャ氏が考えるベストな組み合わせだが、ローテーションを兼ねて、4枚を同時に起用するオプションもいくつか提示。レバンドフスキを温存してダニ・オルモを偽9番として起用し、ガビをインサイドハーフに上げて、アンカーにカサドかデ・ヨングを配置するオプション、そのダニ・オルモをラフィーニャの代わりに偽ウイングとして左サイドに配するオプションなどがそうだ。さらに4-3-3の派生形の1つとして、得点力のあるフェルミンをトップ下気味に振る舞わせ、デ・ヨングやガビが後方支援役に回るオプションも考えられると付け加える。

 フリック監督がコンパクトなブロック形成を徹底することで、スピードにもパワーにも欠けるカサドが危機察知能力を存分に披露し、そのパフォーマンスは今シーズンのラ・リーガ最大の発見の1つとまで評価されている。ブラジャ氏はガビやデ・ヨングについてもアンカーというポジション像にこだわる必要はなく、各選手が持ち味を発揮できる流動性を高めることをポイントとして挙げ、それがひいてはチームの成長に繋がると強調する。

 充実した陣容をどのように活用するか、そして新たな化学反応によって選手たちがどのように新境地を開拓させるか。フリック監督の手腕に改めて注目だ。

文●下村正幸

【動画】バルサがバイエルンに4-1圧勝! CL3節ハイライト
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