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海外サッカー

超寡黙なメッシが「喋り始めた」理由。今や敵将と言い争うまでに…

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2020.02.01

19年のバロンドール授賞式後には、出待ちのメディアの前で足を止めたメッシ。1年前では考えられないようなシチュエーションだった。(C)REUTERS/AFLO

19年のバロンドール授賞式後には、出待ちのメディアの前で足を止めたメッシ。1年前では考えられないようなシチュエーションだった。(C)REUTERS/AFLO

 昨年12月2日、リオネル・メッシが2019年のバロンドールに輝いた。史上最多となる6度目の受賞である。

 しかしそれ以上に画期的な出来事が、パリでの授賞式後に起こっていた。セレモニー会場から出てきたメッシが、出待ちしていた取材陣の前で足を止めたのだ。

 記者たちは誰もが驚いた。いつも通り、素通りされると思っていたからだ。詳細な質問を用意していなかった彼らは、まさに思いつくままにクエスチョンを投げかけるしかなかった。

 メッシはずっと“喋らない選手”で有名だった。17歳でプロデビューしてから昨シーズンまでの約15年間で、彼が15分を超えるインタビューに応じたのは、20件に満たないだろう。

 バルセロナでもアルゼンチン代表でも、試合後の取材エリアで足を止めたことはほぼ皆無。チャンピオンズ・リーグやワールドカップ(W杯)の重要な試合でも、それは同じだった。私もこれまで何度かミックスゾーンで待ち構えた経験があるが、結局はたったひと声しか取れずに終わってしまう。「ノー」というお馴染みの答だ。
 
 2016年、個人スポンサーを務める飲料メーカーの『ゲータレード』が、メッシのPRビデオを作った。「メッシは口では説明しない」というナレーションからスタートする動画で、そのとおり一言すらも発しない。メッシは言葉では語らない、その代わりドリブルやパス、そしてゴールで誰よりも雄弁に語っている――。そんな内容で、当時のメッシの姿を実に的確に表現していたものだ。

 18年のロシアW杯期間中に私は、ホルヘ・ブルチャガと話をした。ディエゴ・マラドーナとともに86年W杯でアルゼンチンを世界一に導き、今はアルゼンチン代表のチームマネジャーを務めるレジェンドだ。

 古い友人である私たちは冗談を飛ばし合いながら色々な話をしたが、メッシの話題になると彼は急に真顔になった。

「メッシはあまり話さない。とくにピッチ上ではほとんど口を開かない。彼が意思を伝えたいときは目で、そして足で話すんだ。だからあれだけシャイな性格でも、リーダーでいられるのさ」
 

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