ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸が現地８月24日、敵地でのサンディエゴ・パドレス戦に先発登板。２連敗で迎えた大事な首位攻防戦で６回４安打２失点に抑える力投で11勝目を挙げた。降板直後、チームが勝ち越した瞬間のリアクションが注目を集めた。

　２イニングを無失点に抑えた山本は１点リードの３回、９番のエライアス・ディアズに痛恨の逆転２ランを浴びる。打たれた瞬間に叫び声を上げるほど悔しさを露わに。それだけ、この試合の重要性をエースは理解していた。

　一発を浴びたが、それでも気持ちをすぐに切り替えて後続をピシャリ。４、５回を無失点に抑えた。

　６回表にフレディ・フリーマンの17号ソロで２対２に追い付くと、球数が80球を超えていたがその裏も続投。３年連続首位打者のルイス・アラエスを中直。続くマニー・マチャドには左前打を許したが、次打者を中飛で打ち取り２アウト。一発がある５番ザンダー・ボガーツはカウント1-2で追い込み、最後は外角にズバっと決めるカッターで空振り三振。92球を投げ切りマウンド上で吠えた。

　クオリティスタートを達成し、先発としての仕事を全うした直後の７回、味方打線がヒットと四球で１死一、二塁につなぐと、９番ダルトン・ラッシングが値千金の３号勝ち越し３ラン。山本に勝利投手の権利が舞い込んだ。

　その後もドジャース打線はフリーマンの２打席連続18号２ラン、大谷翔平の45号ソロ弾で加点。そのままリードを守り切り、ドジャースが８対２で快勝。24歳のルーキー捕手が大仕事をやってのけ右腕に白星が付いた。
  　米紙『Los Angeles Times』のブレイク・ハリス氏は降板後、ベンチで戦況を見守っていた山本のリアクションをアップ。「ヨシノブ・ヤマモトは、ラッシングのホームランを目の当たりにし、本当に信じられない様子だ」と記し、打った瞬間に頭を抱えた日本人右腕の表情に爆笑。右翼スタンドに打球が着弾したのを見届けると、山本は同僚と一緒にバンザイして相棒を称えた。

　試合後、ラッシングはNHKのインタビューに応じ「とても気分がいいです。焦らずにストライクを待っていた。ヨシは球種をうまく混ぜて素晴らしいピッチングでした」と笑顔で振り返り、汗を拭った。

　大事な首位攻防最終カードを託され、見事に結果で応えた山本。これで今季は11勝８敗、防御率を2.90とした。

構成●THE DIGEST編集部

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