世紀のピッチングに、いまだ興奮がさめやらない。

　現地10月25日、ロサンゼルス・ドジャースは敵地でワールドシリーズ第２戦をトロント・ブルージェイズと戦い、５対１の快勝を収めた。圧巻のパフォーマンスを見せつけ、勝利の立役者となったのが山本由伸だ。序盤から何度かピンチを迎えて３回に１点を失ったものの、４回以降は危なげないピッチングで強力打線をシャットアウトし、終わってみれば９回４安打８奪三振１失点をマーク。ポストシーズンでの２試合連続完投勝利は、MLBで24年ぶりの快挙となった。

　米メディアや記者たちからも絶賛する声が後を絶たないが、『The Athletic』はオリックス・バファローズ時代の山本を視察し、12年総額３億2500万ドル（約463億円）という大型契約のキーパーソンともなったドジャース編成部の重要幹部、ゲイレン・カー氏のコメントを掲載した。ケン・ローゼンタール記者がコラム内で紹介したもので、山本がＦＡを取得する前から何度も来日を果たしていたカー氏は「こんな試合をするなんて、想像すらできなかったよ。ある意味で夢のような出来事だ」と語り、次のように日本人右腕を評した。
  「我々は彼がメジャーレベルで通用すると信じていたし、その実力を確信していた。それは彼に提示した契約内容にも表れている。現時点で彼が我々の期待を上回ったとまでは言わないが、彼は見事にみずからの力を証明してみせた。メジャーで一球も投げていない投手とあのような契約を結ぶことに、疑念を抱いている人がいたならば、今ごろその答えが出ているだろう」

　２試合を終えて１勝１敗のタイ。いよいよワールドシリーズは舞台をロサンゼルスに移し、３連戦が行なわれる。ドジャースの先発予定は第３戦がタイラー・グラスノー、第４戦が大谷翔平、第５戦がブレイク・スネル。第６戦までもつれていれば、ふたたびトロントで開催される第６戦に山本が先発登板する見込みだ。

構成●THE DIGEST編集部
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