ロサンゼルス・ドジャースは現地10月27日、本拠地ドジャー・スタジアムで行なわれたトロント・ブルージェイズとのワールドシリーズ（WS）第３戦で同シリーズ史上最長タイ記録となる延長18回の末、６対５でサヨナラ勝利を挙げた。その裏で選手らと同じように奮闘した球場スタッフについて現地記者が伝えた。

　米放送局『CBS』や『Sports Central LA』のレポーターを務めるジル・ペインター・ロペス氏は自身のXを更新。「真夜中に試合が終わった直後の光景。午前６時になっても、ドジャー・スタジアムではスタッフたちが懸命に後片づけ中」と記し、球場の様子を映像でアップロードした。

　さらに椅子の下や通路に散らばったゴミの写真を添え、「彼らもMVPだ。ワールドシリーズ第４戦に向けて、スタジアムの準備に多くの人々が懸命に働いている」と舞台裏の努力を称えた。
  　この日は１番・指名打者で先発出場した大谷翔平が、３回の第２打席でポストシーズン７本目のソロ本塁打、７回にも同点ソロを放つなど、４打数４安打３打点５四球の活躍を見せた。さらに８回にはWS初登板となった佐々木朗希が、1.2イニングを無失点で抑える好リリーフを披露した。

　試合は延長18回にもつれ込む大接戦に。ドジャースは先発タイラー・グラスノーを含む10投手を投入する総力戦に突入し、ブルージェイズも８投手で粘りを見せた。迎えた18回裏、先頭のフレディ・フリーマンが９番手リトルの内角シンカーを捉え、中堅フェンスを越えるサヨナラ弾を放ち、長い死闘に終止符を打った。

　2008年のドジャース対ボストン・レッドソックス戦と並ぶ、ワールドシリーズ史上最長の18回・６時間39分の大熱戦。MLB公式発表によると、この日の観客動員数は５万2654人に達した。延長に入ると空席も目立ちはじめたが、試合が終了した23時39分時点でも多くのファンがスタンドに残っていた。

　その後、午前中まで清掃作業を続けるスタッフたちの後ろ姿を撮影した１枚の写真とともに、ロペス氏はこう呼びかけた。

「昨夜の激闘のあと、スタッフたちは一晩中かけて球場の清掃に取り組んでいます。彼らは深夜から午前中までここにいる。もし観客全員が試合後に自分のゴミを持ち帰ったらどうでしょう。そんなに難しいことじゃありませんよね」

　なお、同28日の第４戦はドジャースが２対６でブルージェイズに敗れ、両軍ともに２勝２敗とした。第５戦は29日（日本時間30日午前９時）、引き続きロサンゼルスのドジャー・スタジアムで行なわれる予定。ドジャースは左腕ブレイク・スネル、ブルージェイズは９月にメジャーデビューしたばかりの22歳トレイ・イェサベージが先発登板する見込みだ。

構成●THE DIGEST編集部

【動画＆画像】ゴミが散乱した...試合後のドジャー・スタジアムの様子