野球解説者の赤星憲広氏が、槙原寛己氏のYouTube内で盗塁の極意や投手への対策について語った。
ピッチャーのクイックモーションが進化して盗塁が難しくなった時代に阪神タイガース一筋で活躍し、5年連続でセ・リーグの盗塁王を獲得した赤星氏は、「盗塁が無理なピッチャーでも走ろうとしていましたので、僕のなかで無理(な投手)はいなかったです」と断言。当時の工夫を、こう振り返る。
「無理なピッチャーこそ、いかにフォークで走るかとか、配球ですよね。(阪神の監督だった)野村(克也)さんに教えてもらった配球の読みで、どのカウントで一番フォークを投げるかを読んで、そこでスタートを切る。あとは、構えで変化球だと分かるキャッチャーもいたので、そこを見ながら走るとか」
を
また一塁への牽制球を投げる際、右投げの投手はピッチャーズプレートを外してターンしてから投げる必要がある一方、左投げの投手は一塁に足を向ければピッチャーズプレートを踏んだまま投げられる。それでも赤星氏は左腕の方が盗塁しやすかったと明かす。
「完全に左投手の方が好きでした。僕にとってのポイントは、リードが取れるか取れないかでした。左投手は基本的に速い牽制がないので、比較的リードが取りやすい。あと、顔が見えているじゃないですか。顔が見えていると、その人が何を考えているか、少し動揺しているとか、牽制しようとしている、といったことが結構分かるので、僕は左投手の方が好きでした。右投手は背中を向けているので、何を考えているか分からないじゃないですか」
ただ右腕については「牽制する時の癖が背中に出ることがあります。ユニホームにシワができたり」と語る。
そんな名手にとって、盗塁が難しかったのは2人の右腕だったという。まず、中日ドラゴンズの中継ぎで活躍した浅尾拓也氏を挙げる。
「とにかく牽制が速いんです。球も速いうえに、牽制のターンがめちゃくちゃ速く、リードをあまり取れないんですよ。リードを大きく取ってしまうと、牽制でアウトにされるので。クイックも“スーパークイック”。さらにキャッチャーが(強肩が武器だった)谷繁(元信)さんです。もう絶対に無理な条件が揃っていました」
2人目には、広島東洋カープやニューヨーク・ヤンキースなどでプレーした黒田博樹氏をセレクト。「牽制のターンが速かったです」とし、こう続ける。
「セットポジションに入ってから、絶対に同じタイミングで投げないんです。入ってすぐに投げたり、あるいはとにかく長く持ったりと、同じタイミングで投げてくれないので、『どのタイミングで走ろうか』と思っているうちに、投げられちゃったりとか。だからといってランナーだけでなく、きちんとバッターとも勝負している。本当に素晴らしいピッチャーだと思っていました。黒田さんは、カットボールもスプリットも、140キロ後半で緩急がないタイプでした。だから、本当に走りにくかったです」
NPB歴代盗塁数で9位にランクインし、2000年代以降で最多の381盗塁をマークしたスピードスターは、決して足の速さだけで戦っていたわけではなかった。
構成●THE DIGEST編集部
【画像】夢の球宴に集結!オールスターゲームを華やかに彩った、各球団のチアリーダーを特集!
【動画】阪神の“レッドスター”赤星憲広氏が盗塁の極意を語る!
ピッチャーのクイックモーションが進化して盗塁が難しくなった時代に阪神タイガース一筋で活躍し、5年連続でセ・リーグの盗塁王を獲得した赤星氏は、「盗塁が無理なピッチャーでも走ろうとしていましたので、僕のなかで無理(な投手)はいなかったです」と断言。当時の工夫を、こう振り返る。
「無理なピッチャーこそ、いかにフォークで走るかとか、配球ですよね。(阪神の監督だった)野村(克也)さんに教えてもらった配球の読みで、どのカウントで一番フォークを投げるかを読んで、そこでスタートを切る。あとは、構えで変化球だと分かるキャッチャーもいたので、そこを見ながら走るとか」
を
また一塁への牽制球を投げる際、右投げの投手はピッチャーズプレートを外してターンしてから投げる必要がある一方、左投げの投手は一塁に足を向ければピッチャーズプレートを踏んだまま投げられる。それでも赤星氏は左腕の方が盗塁しやすかったと明かす。
「完全に左投手の方が好きでした。僕にとってのポイントは、リードが取れるか取れないかでした。左投手は基本的に速い牽制がないので、比較的リードが取りやすい。あと、顔が見えているじゃないですか。顔が見えていると、その人が何を考えているか、少し動揺しているとか、牽制しようとしている、といったことが結構分かるので、僕は左投手の方が好きでした。右投手は背中を向けているので、何を考えているか分からないじゃないですか」
ただ右腕については「牽制する時の癖が背中に出ることがあります。ユニホームにシワができたり」と語る。
そんな名手にとって、盗塁が難しかったのは2人の右腕だったという。まず、中日ドラゴンズの中継ぎで活躍した浅尾拓也氏を挙げる。
「とにかく牽制が速いんです。球も速いうえに、牽制のターンがめちゃくちゃ速く、リードをあまり取れないんですよ。リードを大きく取ってしまうと、牽制でアウトにされるので。クイックも“スーパークイック”。さらにキャッチャーが(強肩が武器だった)谷繁(元信)さんです。もう絶対に無理な条件が揃っていました」
2人目には、広島東洋カープやニューヨーク・ヤンキースなどでプレーした黒田博樹氏をセレクト。「牽制のターンが速かったです」とし、こう続ける。
「セットポジションに入ってから、絶対に同じタイミングで投げないんです。入ってすぐに投げたり、あるいはとにかく長く持ったりと、同じタイミングで投げてくれないので、『どのタイミングで走ろうか』と思っているうちに、投げられちゃったりとか。だからといってランナーだけでなく、きちんとバッターとも勝負している。本当に素晴らしいピッチャーだと思っていました。黒田さんは、カットボールもスプリットも、140キロ後半で緩急がないタイプでした。だから、本当に走りにくかったです」
NPB歴代盗塁数で9位にランクインし、2000年代以降で最多の381盗塁をマークしたスピードスターは、決して足の速さだけで戦っていたわけではなかった。
構成●THE DIGEST編集部
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