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【MLB今日は何の日】ブルームバーグが「史上初のDH」として出場。松井稼頭央は初打席初ホームランの鮮烈デビュー

出野哲也

2020.04.06

選手としては大成できなかったブルームバーグだが、史上初のDHとして永遠にその名を歴史に刻むことになった。(C)Getty Images

選手としては大成できなかったブルームバーグだが、史上初のDHとして永遠にその名を歴史に刻むことになった。(C)Getty Images

「野球は9人でプレーするもの」という常識が覆ったのが、1973年4月6日。この日、フェンウェイ・パークで行われたボストン・レッドソックス対ニューヨーク・ヤンキース戦で、メジャーリーグ史上初めて指名打者(DH)制度が実施されたのだ。

 DH自体はそれまでにも例があって、古くは1890年代に提案された記録があり、69年のオープン戦でもア・リーグが試していた。当時ア・リーグはナ・リーグに対して観客動員で差をつけられていたこともあり、73年から正式に導入の運びとなった。

 初回、史上初のDHとして打席に立ったのは、ヤンキースの6番打者ロン・ブルームバーグ。二死満塁で迎えた記念すべき第1打席は、ルイ・ティアンから四球を奪い打点がついた。2打席目は二塁への内野安打で、この日は3打数1安打1打点。ブルームバーグが使用したバットは試合後に野球殿堂へ寄贈された。
 67年のドラフト全体1位で指名されたブルームバーグだが、通算打率こそ.293でも本塁打は52本。怪我が多く、左投手に弱い(打率.215)欠点もあって期待されたほどの成績は収められなかった。今では彼の名はDH第1号としてのみ記憶されている。

 76年にはワールドシリーズでもDHが採用され、当初は偶数年にDHを使い、奇数年は投手が打席に立っていた。86年以降は、ア・リーグのホームゲームで毎試合DHを使うよう変更されている。日本では75年からパ・リーグがDH制を採用している。

 伝統主義者からは根強い廃止論も聞かれ、97年のインターリーグ導入時には廃止の一歩手前まで行ったが、結局は存続した。今や世界中でもDHを使っていないのはナ・リーグと日本のセ・リーグ、一部のマイナーリーグに限られていて、逆にナ・リーグでDHを導入する日も近いと見られている。

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