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【MLB今日は何の日】「いつ終わるんだ…」ベルトが1打席最多21球の“死闘”を演じる

2020.04.21

1打席21球(!)の死闘を演じたベルト。コミッショナーの意向をガン無視する結果となった。

1打席21球(!)の死闘を演じたベルト。コミッショナーの意向をガン無視する結果となった。

 MLBコミッショナーに就任した時、ロブ・マンフレッドは試合時間短縮を旗印に掲げ、申告敬遠やテレビ放送CMの時間短縮、コーチがマウンドに行く回数の制限など、数々の時短案導入を行ってきた。

 だが、2018年4月22日に行われたロサンゼルス・エンジェルス対サンフランシスコ・ジャイアンツ戦で、時短に逆行する歴史的な“死闘”が演じられた。

 主役はジャイアンツ一塁手のブランドン・ベルトと、エンジェルス先発のハイミー・バリア。初回、無死一塁の場面で第1打席が回ってきたベルトはわずか3球で2ストライクに追い込まれた。

 しかし、ここからベルトは驚異的な粘りを発揮する。2球ファウルで粘ると、6球目はボール。さらに2球カットして9球目が外れてフルカウントに。そこからベルトはカット、カット、カット、カット……気付けば10球連続でファウルが続く。

 3球で追い込んだ時はホームのエンジェルスファンも拍手をしていたが、次第に歓声は少なくなり“早く終われ”状態。球場全体の祈りも通じたのか、21球目、内角92マイルの速球を捉えた打球は、ついにフィールド内に吸い込まれてライトフライ。“死闘”は13分23秒もの長丁場となって終幕を迎えた。
 
“ベルトの21球”をまとめると以下のようになる。
①ファウル ②ボール ③空振り
④ファウル ⑤ファウル ⑥ボール
⑦ファウル ⑧ファウル ⑨ボール〈牽制〉
⑩ファウル〈牽制〉 ⑪ファウル ⑫ファウル
⑬ファウル ⑭ファウル ⑮ファウル〈牽制〉
⑯ファウル ⑰ファウル ⑱ファウル〈牽制〉
⑲ファウル ⑳ファウル ㉑右飛

 1打席21球は、記録が残っている1988年以降では歴代最多。ベルトは「普段、守っている時は粘っている打者を見るとイラついているんだけど」と、お前が言うなとツッコミたくなるコメントを残した。バリアの方も、さすがに「ちょっと疲れた」ようで、その後に満塁のピンチを背負い、どうにか無失点で切り抜けるも1回だけで49球。初回で投じた球数としては、同じく1988年以降では歴代2位に相当し、結局2回までに77球も投げてお役御免となっている。

 あまり語られないが、ベルトは3回の第2打席も“わずか”8球ではあるが球数を投げさせていて、 捕手のマーティン・マルドナードは「2打席目もすぐに2ストライクに追い込んだけど、またファウル、ファウルになって……『またか』ってなったよ」と苦笑いしていた。

 ちなみに、日本プロ野球の最多記録は19球。1947年の松井信勝(太陽)、2012年の明石健志(ソフトバンク)、2013年の鶴岡一成(DeNA)の3人いるが、ベルトも含めて出塁できたのは明石だけ(四球)である。

構成●SUGGER編集部
 
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