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プロ野球

年々高まる“プロスペクト”への注目度。ソフトバンクが充実する一方、阪神はランキング上位にひとりも…

城ノ井道人

2020.05.10

プロスペクト・ランキングは各選手の潜在能力や最低限の到達ライン、ポジションなどを考慮して作成される。写真は右上から時計回りに佐々木、石川、戸郷、坂倉。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)、徳川隆元

プロスペクト・ランキングは各選手の潜在能力や最低限の到達ライン、ポジションなどを考慮して作成される。写真は右上から時計回りに佐々木、石川、戸郷、坂倉。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)、徳川隆元

 「プロスペクト」とは「見通し」や「将来性」を意味し、アメリカン・スポーツの世界では転じて将来有望な若手選手のことを指す。

 主力選手を自前で育て上げた広島が数年前に黄金期を迎え、育成枠からも次々と戦力を輩出するソフトバンクは圧倒的な強さを維持している。こうした状況から、日本でもプロスペクトへの注目度はこれまでにないほど高まっている。

 では、プロスペクトはどのように評価すればいいのか。

 まず、選手の将来性には「最大値」と「最低値」という2つの見方がある。前者は英語で天井を意味する「シーリング」、後者は床を意味する「フロア」という言葉で表現される。最大値は、その選手にとって最大限の成長を見せた時に到達するであろう姿であり、「ポテンシャルの高さ」と言い換えることができる。対して「最低値」は、少なくともこのレベルには到達するであろうという姿で、微妙なニュアンスの違いはあるが「完成度」と言い換えられるかもしれない。

 別企画の「若手有望株ランキング」では、基本的には3:1ぐらいの割合で「最大値」に重きを置いた評価としたので、そちらの評価基準やランキングについても、軽く触れておこう。
 
 具体的な能力評価については、野手では5ツール(コンタクト能力、パワー、スピード、守備力、肩)を重視する。ポジションも重要な要素だ。同じゴールデン・グラブ級の守備と言っても、センターラインの選手と一塁やレフトの選手では勝利貢献度に大きな差があるからだ。

 投手については、速球の平均球速に加えて空振りを奪える球種の有無、ゴロ率の高さ(=長打阻止能力)も重要になる。また、将来像が先発投手の方がリリーフよりも評価が高い。これはイニング数が総合的な勝利貢献度と結びついているためだ。

  ランキングの対象選手は2020年に満25歳以下、投手は一軍通算50イニング/30試合登板未満、野手は一軍通算100打席未満としている。 一軍出場についての基準は新人王とほぼ同じだ。

 栄えある1位に選んだのは佐々木朗希(ロッテ)。高校生ながら163キロを計時した速球はまさに規格外。また、長身痩躯の体格は伸びしろ十分で、ポテンシャルの高さはMLBの有望株を含めて世界屈指と言っても過言ではない。一方、高校生投手は最もリスクが高いカテゴリーとも言われ、中でも佐々木は完成度という点では他の有力高校生と比べても低い。その意味ではハイリスク/ハイリターンの選手と言ってもいいだろう。
 
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