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MLB

正念場の大型契約最終年に復活を目指すかつてのノーヒッター男ジマーマン

宇根夏樹

2020.05.10

昨年は1勝13敗、防御率6.91と大不振に苦しんだジマーマン。タイガース移籍後は苦しいシーズンが続く。(C)Getty Images

昨年は1勝13敗、防御率6.91と大不振に苦しんだジマーマン。タイガース移籍後は苦しいシーズンが続く。(C)Getty Images

 1億ドル以上の大型契約を手にし、今季、その最終年を迎えている投手は3人いる。田中将大(ニューヨーク・ヤンキース/7年1億5500万ドル)、ジョン・レスター(シカゴ・カブス/6年1億5500万ドル)、そしてジョーダン・ジマーマン(デトロイト・タイガース/5年1億1000万ドル)だ(レスターは21年が相互オプション)。

 3人のうち、ジマーマンだけは大枚に見合う働きがまったくできていない。契約後の平均防御率を見ると、田中が3.75、レスターが3.54に対し、ジマーマンは5.61。また、一度も規定投球回に達したこともない。昨シーズンに至っては112.0イニング、1勝13敗、防御率6.91という惨状だった。

 タイガースでは期待を裏切っているジマーマンだが、大型契約を得たことからも分かるように、かつては一流投手だった。ワシントン・ナショナルズ時代の13年には最多勝に輝き、14年にはノーヒッターも達成している。
 
 契約最終年を迎える今季、本人も気合十分のようだ。『デトロイト・ニューズ』紙によると、週に4~5日は投球練習に励んでいるという。ジマーマンは「数年前には引退を考えたこともある。でも、今年のスプリング・トレーニングは体調が良かったし、何の問題もない。まだやれるし、まだゲームを愛してる。今のところ引退は考えていない」とコメントしている。カギを握るのは、モデルチェンジを図るべく、昨シーズンから投げ始めた2シームだろう。

 とはいえ、まずは試合が行われなければ復活をアピールすることもできない。このままFAになった場合、ジマーマンにメジャー契約を申し出る球団は出そうにない。キャリアを賭けたシーズンの開幕はいつになるだろうか。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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