専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

「満塁の場面を切り抜けたような気分」メジャー通算496登板の救援左腕が、自宅の庭でクマに遭遇!

宇根夏樹

2020.05.13

技巧派中継ぎ左腕として活躍したオフラハティ。クマとの遭遇で現役時代の興奮を思い起こしたようだ。写真:Getty Images

技巧派中継ぎ左腕として活躍したオフラハティ。クマとの遭遇で現役時代の興奮を思い起こしたようだ。写真:Getty Images

 今月初旬、元救援投手のエリック・オフラハティは、現役時代に勝るとも劣らないピンチに遭遇した。メジャー12年間で通算496試合に登板し、プレーオフの舞台に立ったこともある彼は、その時の様子をこうツイートしている。

「今日、隣人がこう叫んだ。「エリック! クマがいるぞ!」。振り返ると、クマはもう庭に入ってきていた。どこにも逃げ場はなかった。これほどのプレッシャーを感じ、メジャーで投げていた時のようなアドレナリンが湧き出てきたのは、引退してから初めてのことだった」

 ツイートには、歩いているクマの写真もアップされている。現在、オフラハティの生まれ故郷でもワシントン州ワラワラに住んでいる。シアトルから南東へ車で4~5時間の場所だ。

 アトランタ・ブレーブスなど計4球団で活躍したオフラハティは、シンカーとスライダーを武器とする技巧派左腕だった。2010年代初めには、ブレーブスでジョニー・ベンタースとクレイグ・キンブレル(現シカゴ・カブス)と勝利の方程式を形成し、それぞれの名前の一部をつなげて“オベントブレル”と呼ばれた。2011年には、70イニング以上では救援投手歴代3位(当時)の防御率0.98を残している。
 
 幸いにも、クマはオフラハティに向かってくることはなく、立ち去ったという。その時の気持ちを綴ったオフラハティのツイートはこうだ。

「クマがいなくなった時は、満塁の場面を切り抜けたような気分になった。爽快そのものさ。引退後の生活にうまく適応できないアスリートが多いのは、それまで“クマとの遭遇”みたいな状況が生活の80%を占めていたのが、急に全然なくなっちゃうことで禁断症状が出るんじゃないかな」。

 ちなみに、満塁の場面でのオフラハティの通算被打率は.200だった。キャリア全体の被打率.256、有走者時の.254と比べると、その低さがよく分かる。また、現役最後の17年は満塁の場面で二塁打を3本打たれているが、それまではまったく長打を打たれていなかった。まさに、アドレナリン全開だったに違いない。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

【PHOTO】艶やかに球場を彩るMLBの「美女チアリーダーズ」!
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号