専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

「世代」で見る中日の選手層ーーエースの大野らの88・89世代が中心も、柳・京田ら“大谷世代”に注目

氏原英明

2020.07.17

昨季頭角を現した柳(左)と、新人の頃から活躍している京田(右)は、実は同い年だ。写真:金子拓弥(THE DIGEST編集部)

昨季頭角を現した柳(左)と、新人の頃から活躍している京田(右)は、実は同い年だ。写真:金子拓弥(THE DIGEST編集部)

 チーム作りの基本は競争だ。選手間の競争意識を煽る要素の一つに“年齢”がある。あえて同年齢の選手を揃えて切磋琢磨させることが、チーム強化につながる。

 今回は中日だ。

 チームの主力に多いのは豊作世代の1988・89年生まれだ。エースの大野雄大のほか、福田永将、堂上直倫といった顔が浮かぶ。

 しかし、トッププロスペクトを多く抱えるチーム事情を鑑みると、かなり若返りの方向へ向いているのも事実だ。特に、94・95生まれ世代は中心となっていくだろう。

 投手陣では、右のエース候補・柳裕也がその一人。昨季は開幕投手を務めながら、不整脈などに苦しんだ笠原祥太郎、度重なる左ヒジの故障からの浮上を目指す濱田達郎ら、復活組への期待は大きい。笠原は2018年に17試合に先発して6勝を挙げ、同年の日米野球では侍ジャパンにも選ばれている。濱田はかつて、大谷翔平、藤浪晋太郎と共に“ビッグ3"と呼ばれたほどの選手だ。また、昨年のドラフト3位ルーキー・岡野祐一郎も、この世代を盛り上げてくれそうな存在だ。
 
 野手陣に目を移すと、この世代を引っ張っていくのは京田陽太だ。同じ内野手の溝脇隼人や、オリックスから移籍してきた外野手の武田健吾もこの世代で、ともに覚醒の時が待たれる。2人とも才能はありながら伸び悩んでいる印象だが、後の世代に根尾昂や石川昂弥らトッププロスペクトが控えているだけに、悠長にはしていられないという現実もある。

 また、次世代で面白いのが2年目を迎える梅津晃大と鈴木博志だ。96・97年生まれの彼らはまだ23歳だが、同世代には岡本和真(巨人)、安楽智大(楽天)や高橋光成(西武)、松本裕樹(ソフトバンク)など甲子園を沸かせ、プロでも活躍している選手が幾人もいる。2人とも高校時代は無名で、梅津は大学、鈴木は社会人を経由しての入団。遅咲きとも言える彼らが、世代のトップたちをどう追い抜いていくかも注目したいところであろう。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

【中日PHOTO】今季初実戦となる紅白戦を実施! ドラフト4位ルーキーの郡司や3年目の山本がアピール!

DAZNなら「プロ野球」「Jリーグ」「CL」「F1」「WTAツアー」が見放題!充実のコンテンツを確認できる1か月無料体験はこちらから

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号