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MLB

MLB開幕に向けて選手会がシーズン114試合、年俸繰り延べ払いなどを“逆提案”。交渉はいよいよ山場へ?

SLUGGER編集部

2020.06.01

選手会からシーズン開幕に向けた“現実案”が提案されたが、果たしてどうなる?(C)Getty Images

選手会からシーズン開幕に向けた“現実案”が提案されたが、果たしてどうなる?(C)Getty Images

 現地時間5月31日、メジャーリーグ選手会がMLB機構とオーナー側に対して、今シーズンの開催条件について“逆提案”したと、大手スポーツメディア『ジ・アスレティック』のエバン・ドレイリック記者が報じている。先日まで揉めていた「年俸」と「安全面」で大いに前進した内容となっている。まとめると以下の形だ。

●レギュラーシーズンは6月30日から10月31日まで114試合を行う。
 ただし、新型コロナウイルスの感染リスクが高いと判断した選手は試合参加を見送ることができる。

●年俸は開催試合数に応じた金額(3月下旬に両者が合意した内容)

●2020~21年はプレーオフ枠を拡大(MLB機構が提案した計14チームが争うもの)

●ただし、プレーオフが開催されなければ、オーナーが支払う選手年俸のうち1億ドル(約107億円)は利子付きで繰り延べ払いを認める。適用される選手は年俸1000万ドル以上(約11億円)の選手に限る。

●“スプリング・トレーニング”(提案が通る場合は6月に行われる)の再開に伴い、1億ドル(約107億円)を前払いで支払う。
 
 給与面に関しては、先のオーナー側の提案では選手年俸は最大でも50%までしか受け取れなかったところ、今回の提案通りだと70%前後は保証されることになる。これで両者の大きな溝が一つ埋まる。オーナー側の支払いを先送りできる点は、むしろ譲歩した形と言えるだろう。

 安全面に関しては、感染リスクを警戒する選手が試合参加を見送る権利を盛り込んでいるのも大きい。この条件は、コミッショナーのロブ・マンフレッドの「我々の安全対策を信頼できなければ、その選手はプレーしなくてもいい」との発言と符号している。

 この選手会の提案は、有識者たちから概ね好意的に捉えられているが、オーナー側がそのまま呑む可能性は低いと見られている。選手会が提案する6月30日開幕、あるいはオーナー側が提案する7月4日前後の開幕、どちらにしても今週中に妥結しないと実現は難しい。土壇場に来て両者の溝は埋まるのか。今後の交渉の行方に注目が集まる。

構成●SLUGGER編集部

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