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MLB

【担当記者が見た大谷翔平】ファン待望のインスタグラム開設。「皮肉屋っぽくて面白い」と言われる大谷節に期待

斎藤庸裕

2020.06.04

メディアの前では優等生だが、日本ハム時代から独特のユーモアセンスには定評がある。(C)Getty Images

メディアの前では優等生だが、日本ハム時代から独特のユーモアセンスには定評がある。(C)Getty Images

 5月28日、大谷翔平が待望の公式インスタグラムを開設した。記念すべき初投稿は2018年4月3日、本拠地デビュー戦で初本塁打を放った直後、チームメイトからダグアウトで「サイレント・トリートメント」仕掛けられ、自ら祝福をおねだりするシーンの動画。約1時間でフォロワーは2万人を超え、瞬く間に大人気となった。

 書き込み欄には英語で「インスタ開設が、これ(サイレント・トリートメント)より歓迎されますように」と記した。大谷は普段からチームメートに「皮肉屋っぽくて面白い」と言われている。初投稿にも、そんな大谷らしさがあった。2日後にはライブBP(実戦想定の投球練習)の様子を投稿。チームメイトのデビッド・フレッチャーからのコメントに対し、泣き笑いの絵文字で返答するなど、SNS上でのやりとりも楽しんでいるようだ。

 絵文字のみだったが、仲良しな雰囲気が感じられる同僚との交流を、自ら公に発信したのは初めてだろう。これまでは例えば、スマートフォンの対戦型カードゲーム「クラッシュ・ロワイヤル」で楽しんだり、ベテランの強打者アルバート・プーホルスがスーパーマリオに苦戦していることに一喜一憂したりと、クラブハウスでの素顔は時折、メディアなどを通じて伝えられてきた。インスタグラムでの投稿は主に野球関連のものになるようだが、SNS上で直接感じられる大谷の元気そうな姿に、フォロワーは大いに喜んでいるに違いない。
 
 これまでも大谷は、節度を保ちながら可能な限りの範囲でファンサービスを行ってきた。例えばメジャー2年目、アリゾナ州テンピでのスプリング・トレーニングでのこと。右ヒジ手術のリハビリ中で例年より空き時間が増えたこともあり、長蛇の列を作ってサインを求めるファンに丁寧に対応する場面が多く見られた。「キャンプは距離も近いので。シーズンに入るとそういう機会も少なくなる。良い機会だと思う」。時には10分以上、筆を走らせたこともあった。

 今年は、二刀流復活へ期待が高まっている。だが、開幕については米MLB機構と選手会の交渉が難航し、具体的な日程は決まっていない。5月中旬に予定されていた復帰登板も、お預けとなっている状態だ。また、開催となっても当面、試合は無観客で行われる。首を長くして復活を待っていたファンと、少しでもつながりを――。公式インスタグラムの開設に、こんな思いも込められているのではないだろうか。

文●斎藤庸裕

【著者プロフィール】
さいとう・のぶひろ。1983年、埼玉県生まれ。日刊スポーツ新聞社でプロ野球担当記者を務めた後サンディエゴ州立大学でスポーツビジネスを学ぶ。2018年から大谷翔平の担当記者を務める。日刊スポーツでコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」を配信中。

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