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MLB

「50試合」「82試合」「114試合」…どれになっても2020年のMLBは波乱のシーズン必至?

宇根夏樹

2020.06.06

ナショナルズは昨年、50試合時点では借金12を背負っていたが、そこからワールドチャンピオンまで駆け上がった。(C)Getty Images

ナショナルズは昨年、50試合時点では借金12を背負っていたが、そこからワールドチャンピオンまで駆け上がった。(C)Getty Images

 今シーズンの試合数については、これまでに3つの案が浮上している。まず、MLB機構(オーナー側)が「82試合」を申し出た。それに対し、選手会が「114試合」を提案。さらに、MLB機構は「50試合」前後の案を検討しているようだ。この他に、ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)がインスタグラムで発表した「135試合」なども存在するが、あくまでも私案なので、ここには含めていない。

 1チームにつき162試合を行う通常のレギュラーシーズンと比べ、「50試合」は約3分の1となる。「82試合」は約半分、「114試合」は約70%だ。今シーズンは地区割も変更されそうだが、それは別として、これらの試合数を昨シーズンに当てはめると、各地区の首位はこうなる。

 ア・リーグでそれぞれの地区を制したニューヨーク・ヤンキース、ミネソタ・ツインズ、ヒューストン・アストロズと、ナ・リーグ西地区優勝のロサンゼルス・ドジャースは、「50試合」「82試合」「114試合」のいずれにおいても、単独の地区首位。ナ・リーグ東地区優勝のアトランタ・ブレーブスは「50試合」時点ではフィリーズに次ぐ地区2位ながら、「82試合」と「114試合」時点では単独首位に立つ。
 
 一方、中地区優勝のセントルイス・カーディナルスは、「50試合」と「82試合」の時点では5割ジャストの勝率に過ぎず(順位は地区3位タイと3位)、「114試合」の時点でも2位だった。この地区は「50試合」「82試合」「114試合」のどの時点も、シカゴ・カブスが単独首位となる。ちなみに昨季のカブスは終盤に失速し、地区3位に終わってポストシーズン進出も逃した。

 球団史上初のワールドシリーズ優勝を飾ったワシントン・ナショナルズは、カーディナルス以上に出足が鈍く、「50試合」の時点では借金12を背負っていた。首位のフィリーズとは10ゲーム差。地区だけでなくリーグ全体でも、ナショナルズの下にはマイアミ・マーリンズだけというどん底に近い状態で、デーブ・マルティネス監督には解任の噂が出ていた。ナショナルズはそこから上昇に転じ、「82試合」の時点で借金をゼロとし、「114試合」の時点ではワイルドカード圏内、そのままポストシーズンでも勝ち進んだ。ワールドシリーズ進出を決めた直後、マルティネス監督は「険しい場所は美しい場所へ通じる」とコメントした。
 

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