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プロ野球

新助っ人ピレラの開幕好スタートは偶然じゃない。活躍を呼び込んだ攻守両面での「フォア・ザ・チーム」精神

前原淳

2020.06.24

メジャー時代は内外野5ポジションで出場したピレラ。汎用性の高さもセールスポイントだ。写真:産経新聞社

メジャー時代は内外野5ポジションで出場したピレラ。汎用性の高さもセールスポイントだ。写真:産経新聞社

 苦手としていた横浜スタジアムで、広島は開幕カード勝ち越しスタートを切った。昨年3勝9敗1分けと大きく負け越していた鬼門を突破できたのは、チームの外国人選手としては60年ぶりの開幕1番を任せられた新助っ人ホセ・ピレラの活躍が大きかった。

 6月19日の開幕戦で来日初打席初安打を放つと、5回には引っ張って勝ち越し打をお膳立て。リードを広げた9回には、とどめの来日初本塁打をバックスクリーン左に叩き込んだ。開幕2戦目にもタイムリー、3戦目は左翼フェンス直撃の二塁打を放って開幕3戦連続安打と、来日1年目のシーズンを快調に滑り出した。

 好スタートは偶然ではない。

 メジャー通算302試合出場の実績がありながら、来日直後から日本球界になじもうとする姿勢がうかがえた。入団会見翌日には合同自主トレに参加。時差ボケが抜けない間はマイペースに調整する外国人選手が多くいる中で、少しでも早くチームに溶け込もうとする意識が感じられた。
 
 当初は三塁を期待された。メジャーでは二塁とレフトが主だっただけに戸惑いを見せつつも“フォア・ザ・チーム”の精神を胸に取り組んだ。

「チームに任せてもらえるところでベストを尽くす。自分のためではなく、チームのために野球をやっていきたい」

 口だけでなく、姿勢からもその思いは伝わってくる。全体ノックが終わった後に個別で送球練習を課せられても、文句ひとつ言わずに取り組む。新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れる中での練習にも「一生懸命にプレーするチームメイトに感化されながらやれています」と、居残り特打に加わることもあった。

 長期化した調整期間も無駄にはしない。単調なティー打撃も、インサイドアウトの基本を徹底。同じルーティンを毎日続けた。
 

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