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プロ野球

明暗分かれた若手本格派対決。狙い球を絞らせなかった広島・森下と最後まで修正できなかった中日・梅津

ロバートさん

2020.06.29

プロ1年目とは思えない完成度が光る森下。先週のDeNA戦に続き、昨日の中日戦でも素晴らしい投球を見せた。写真:産経新聞社

プロ1年目とは思えない完成度が光る森下。先週のDeNA戦に続き、昨日の中日戦でも素晴らしい投球を見せた。写真:産経新聞社

 6月21日の開幕3戦目で揃って7回無失点の好投を見せたプロ2年目の梅津晃大(中日)と、ドラフト1位ルーキー・森下暢仁(広島)。将来のエース候補と目される両投手の投げ合いが予想された28日の試合は、一週間前からファンの間で屈指の好カードとして話題になっていた。注目の結果は、森下が9回途中3失点の好投でプロ初勝利。対する梅津は5回7失点の乱調で今季初黒星と、明暗がくっきり別れてしまった。本格派投手として将来を嘱望される両右腕の投球にどのような違いがあったか、くわしく見ていこう。

●梅津晃大 投球成績
5回 104球 被安打10 奪三振2 与四死球2 失点7

▼投球割合 / 平均球速
43.3% ストレート 146.5キロ
26.0% フォーク 136.5キロ
24.0% スライダー 126.8キロ
5.8% カットボール 136.3キロ
1.0% カーブ 118.0キロ
 まず梅津は、初回7球連続でストレートを投じ、広島打線を力で制圧しようと試みた。ただ、前回登板で平均148.4キロのストレートを50%以上の高い割合で投げていたことを広島打線は把握していたのか、先頭のピレラから三者続けて積極的にストレートを打ちにいき、あっという間に一死一、三塁のチャンスを作った。

 梅津と木下拓哉のバッテリーは続く鈴木誠也に変化球を6球続けて空振り三振、続く松山竜平も変化球主体でファーストゴロに打ち取って無失点に切り抜けたものの、ストレートを積極的に狙う広島打線を見てゲームプランの変更を余儀なくされた感は否めない。2回以降は変化球中心に組み立てたが、ゾーン内のストレートは積極的に狙われ、甘く浮いたスライダー、フォークが痛打されることで失点を重ねた。

 前回登板と比較してストレートの平均球速は2キロ程度落ち、制球も甘かったことから、調子が良くなかったのは間違いない。ただ打者の狙いを察知し、それを逆手に取って打ち気を逸らす投球術を備えていなかったことが、敗戦の本質的な理由と考えられる。
 

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