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MLB

開幕へ向け新たな暗雲…ナショナルズの英雄とゴールドグラブ受賞の技巧派右腕がシーズン不参加へ

SLUGGER編集部

2020.06.30

ジマーマン(左)は昨季、ナショナルズ初の世界一に貢献。リーク(右)は初のゴールドグラブを獲得した。(C)Getty Images

ジマーマン(左)は昨季、ナショナルズ初の世界一に貢献。リーク(右)は初のゴールドグラブを獲得した。(C)Getty Images

 ようやく7月下旬に開幕を迎えるMLBだが、新型コロナウイルス感染への懸念を理由に2人の有力選手がシーズン不参加を表明した。

 最初にその意向を明らかにしたのはアリゾナ・ダイヤモンドバックスの技巧派右腕マイク・リーク。メジャー10年間で通算105勝を挙げ、昨シーズンは7月にシアトル・マリナーズからダイヤモンドバックスに加入。初のゴールドグラブを獲得した。

 リークは代理人を通じて以下のようなコメントを出している。「世界規模のパンデミックの中、マイクは家族と今シーズンのプレーについて何度も話し合いを重ねてきました。(中略)考え抜いた結果、彼は2020年のシーズンに参加しないことを決断しました。これはマイクにとって困難な決断でした。彼はダイヤモンドバックスのチームメイトの成功と健康を祈っています」

 規定では、感染リスクが高いと医師に診断された選手は試合に出なくても年俸を受け取ることができるが、家族の健康を理由にプレーしなかった選手には、年俸支払いは義務付けられていない。リークの今季年俸は本来1500万ドル(約16億1370万円)で、開催試合数に比例する額の550万ドル(約5億9170万円)を受け取るはずだったが、この大半を返上することになる。
 もう一人はワシントン・ナショナルズの一塁手ライアン・ジマーマン。数々の球団記録を持つチームリーダーは「僕には生後3週間の赤ん坊がいて、母親はいくつもの硬化症を抱えていてかなり感染リスクが高い」と説明。「チームの一員であることが僕にとってどれだけ大きな意味を持っているか、誰もが知っているはずだ」と苦渋の決断であったことを明かした。

 ナショナルズはもう一人、先発右腕のジョー・ロスもシーズン不参加を表明。マイク・リゾーGMは「彼らの決断を100%支持する」としている。また、前田健太が所属するミネソタ・ツインズは投手コーチのボブ・マクルーア、メジャーリーグコーチという肩書のビル・エバースを職務から外すことを発表。2人とも高齢(マクルーアは68歳、エバースは66歳)で、過去の病歴などから球団が決断した。

 ダイヤモンドバックスが本拠を置くアリゾナ州やテキサス州、フロリダ州などでは最近になって新型コロナウイルスの感染者数が急増。労使間の協議が難航して開幕が遅れたMLBだが、ここに来て選手の感染リスク上昇という新たな問題が浮上してきた。

構成●SLUGGER編集部

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