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MLB

エンジェルスは大谷の相棒トラウトが表紙に登場!メデイアガイドが個性豊かなのもメジャーの醍醐味

宇根夏樹

2020.07.09

エンジェルスのメディアガイド表紙には、スーパースターのトラウトがタキシード姿で登場。写真:Getty Images

エンジェルスのメディアガイド表紙には、スーパースターのトラウトがタキシード姿で登場。写真:Getty Images

 各球団が毎年発行しているメディアガイドの表紙のうち、最も一般的なのは、複数の選手を組み合わせたり並べたりしたものだ。今年の場合、ホワイトソックスは選手11人とリック・レンテリ-ア監督の計12人。ドジャースも9選手と多く、その中には2月のトレードでレッドソックスから加わったムーキー・ベッツもいる。

 ブルワーズはミルウォーキー移転50周年を記念して、過去から現在までの名選手を表紙に据えた。ロビン・ヨーント、ポール・モリター、ハンク・アーロン、ローリー・フィンガースの殿堂選手4人と2005~11年に在籍したプリンス・フィルダー、そして現役のライアン・ブラウンとクリスチャン・イェリッチだ。アーロンのブルワーズ在籍は現役最後の2年(75~76年)に過ぎず、54年のデビューから74年まではブレーブスで過ごしたが、ブレーブスは65年までミルウォーキーに本拠を置いていた。

 1人しか表紙に登場しない球団もある。エンジェルスはタキシード姿のマイク・トラウト。そこに、MVPのトロフィー3つ(14、16、19年)がレイアウトしてある。昨年の表紙は歴代新人王のティム・サーモン(93年)、トラウト(12年)、大谷(17年)の3人で、大谷の写真は投打の2点だった。ただ、1人で表紙を飾るのも現役選手だけとは限らず、パイレーツは新監督のデレク・シェルトン、ロッキーズは殿堂入りが決まったラリー・ウォーカーがその役を務めている。
 
 昨年、球団初のワールドチャンピオンに輝いたナショナルズは優勝パレードの一場面を表紙とした。国会議事堂をバックに、トロフィーを掲げるデーブ・マルティネス監督と、それを取り囲む選手たちが写っている。ブレーブスとカーディナルスもコンセプトは近く、地区優勝した時の写真と、その後の集合写真が使われている。

 一方、オリオールズ、マリナーズ、ヤンキースなどは球場の写真なので、表紙だけではどの年のメディア・ガイドなのかわからない。近年低迷しているマリナーズやオリオールズは、今のチームにはスターが不在ということを表しているのだろうか。また、ヤンキースは名門だけに、スターが多すぎて選べないということか。

 ジャイアンツの表紙も球場だが、その写真は背景に薄く見えるだけで、メインは球団ロゴだ。打者のシルエットに「20 AT 24」という文字が組み合わせてある。これは、オラクル・パークのウィリー・メイズ・プラザに設置されているメイズの銅像、20年、メイズの背番号24を意味する。00年にパシフィックベル・パークとして開場した球場(とウィリー・メイズ・プラザ)は、今シーズンが20周年にあたり、選手たちは右袖にこのロゴを付けてプレーすることになっている。30球団もあるメジャーリーグでは、メデイアガイドの表紙ひとつ取っても実に多種多様だ。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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