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MLB

コディ・ベリンジャー&ブライス・ハーパー――フルスウィングで観客を魅了する2人のスター【2020MLB注目のスターたち】

宇根夏樹

2020.07.21

涼やかなイケメンのベリンジャー(左)と、ワイルドなハーパー(右)。一見対照的な2人の共通点がフルスウィングだ。写真:Getty Images

涼やかなイケメンのベリンジャー(左)と、ワイルドなハーパー(右)。一見対照的な2人の共通点がフルスウィングだ。写真:Getty Images

「Make Baseball Fun Again( ベースボールに楽しさを再び)」

 ブライス・ハーパー(現フィリーズ)がこう唱えたのは、今から4年前の2016年のことだ。当時、ナショナルズでプレーしていたハーパーが、開幕戦の試合後にクラブハウスで記者に囲まれた際にかぶっていた白いキャップには、赤い文字でそう綴ってあった。これはその年、大統領選挙に出馬中だったドナルド・トランプのスローガン「Make America Great Again」になぞらえたものだった。

 確かに、ハーパーはベースボールを楽しくしてくれている。16歳で『スポーツ・イラストレイテッド』誌の表紙を飾るなど早くから〝神童〞として注目を集め、ドラフト全体1位指名でのプロ入り、19歳でメジャーデビューして新人王獲得、そして15年の史上最年少での満票MVP受賞。フィールド内外で常に話題を振りまく男は、スター性では間違いなく球界№1と言っていいだろう。

 実績では大分差が付いてしまったけれども、スター性においてハーパーがマイク・トラウト(エンジェルス)よりも上と言われるのも、大見得を切る役者ぶりが理由だ。昨年8月にサヨナラ満塁ホームランを放った際、ファウルにならないことを確信するまで打球を見守った後、一塁からホームまでわずか11秒の猛ダッシュで叫びながら帰ってきたのも、いかにも彼らしいパフォーマンスだった。
 
 一方、17年にメジャーデビューしたコディ・ベリンジャー(ドジャース)も、ここまで驚くほどハーパーの足跡をなぞってきた。メジャー1年目のオールスター選出と新人王はまったく同じ。そして3年目の昨年には、ハーパーより1年早くMVPに輝いた。

 ベリンジャーには、さすがにハーパーほどのショーマンシップはないが、すらりと伸びた長い足に甘いマスク、そして選手としての実力も超一流とあって、着実に人気は上がっている。昨年は試合中に女性ファンがフィールド上に乱入し、ベリンジャーに抱き着こうと突進するというアクシデントが何と2試合続けて(!)発生した。これがスターの証でなくてなんだろう。

 キャリアの歩みや、左打ちで主にライトを守るということ以外にも、2人は大きな共通点がある。それは、強烈なフルスウィングを身上としていることだ。まるで親の仇かのようにボールをしばき上げる2人の凶悪なまでのアッパーカット・スウィングは、たとえ遠く離れた席からでも一目で分かるトレードマークだ。

 ただ、フルスウィングは同じでも、そこに至るまでの動きは違う。ハーパーがメジャー2年目を迎えた頃、元メジャーリーガーで解説者のFP・サンタンジェロが分析した通り、インパクトの瞬間の姿勢、特に腰の回転と後ろ足は、あのベーブ・ルースと酷似している。そのスウィングの格好良さは大谷翔平(エンジェルス)も真似しているほどだ。
 

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