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プロ野球

【ソフトバンクの開幕1ヵ月診断】開幕の危機を救った栗原の台頭、甲斐野に代わる「新・7回の男」は…

喜瀬雅則

2020.07.21

主力不在の開幕時期を栗原(右)の打撃が救った。故障離脱中のセットアップ・甲斐野(左)の穴埋めが急務。写真:田口有史(右)、山崎賢人/THE DIGEST写真部(左)

主力不在の開幕時期を栗原(右)の打撃が救った。故障離脱中のセットアップ・甲斐野(左)の穴埋めが急務。写真:田口有史(右)、山崎賢人/THE DIGEST写真部(左)

 6月19日の開幕から早1ヵ月。まだ30試合前後とはいえ、各チームとも長所と短所が徐々に浮き彫りになってきた。「開幕1ヵ月」の戦績を評価しつつ、残りシーズンを展望していこう。

[順位]2位
[勝敗/得失点差]15勝11敗1分/得失点差+16
[評価]可もなく不可もなし

●プラス要素
・栗原の抜擢

 開幕時は不測の事態が続いた。デスパイネとグラシアルの助っ人2人が母国からキューバから出国できず(7月19日に来日し、チーム合流は8月上旬頃の予定)、現役最多の通算2171安打を誇る37歳・内川聖一は6月の練習試合7試合で21打数1安打の大不振。選手会長の中村晃も両ヒザ痛と体調不良で開幕二軍スタートとなった。

 打の中核を担う4人を開幕ベンチに欠くというスタートとなったが、その穴を埋める“救世主”となったのが、6年目の栗原陵矢だった。

 かねてからバッティングの評判は高く、昨秋の宮崎キャンプでも、打撃練習中の姿を見かけた王貞治球団会長が思わず足を止め、「良くなった。身体に力がついてきた」と絶賛するなど、飛躍の予兆は見せていた。6月の練習試合12試合で36打数12安打(打率.333)、1本塁打、6打点をマーク。不振の内川に代わって「一塁」のポジションを奪い取った形になった。

「2番・一塁」で開幕スタメンに抜擢されると、延長十回にサヨナラ安打。6月24日の西武戦からは23試合連続でリードオフを務めている。28試合に先発出場しながらヒットがなかったのは7試合だけと、コンスタントに結果を残している今年の“切り込み隊長”は、打撃を生かすため、捕手登録ながら一塁と外野での「打重視起用」を継続していくことを工藤公康監督が明言したほど。強打の若き左打者の台頭で、ソフトバンクは「開幕の窮地」をしのげたとも言える。
 
●マイナス要素
・「7回の男」が決まらない

 昨季、ルーキーながらチーム最多65試合に登板し、2勝8セーブ、26ホールドをマークし、プレミア12でも侍ジャパンの一員に選出された甲斐野央が、右ヒジ痛のため2月から戦線離脱中。7月になっても実戦復帰はできていない。

「勝利の方程式」は昨年に引き続き、8回は左腕のリバン・モイネロ、9回は森唯斗が務めている。甲斐野に代わる「7回の男」として最初に起用されたのは岩崎翔だった。17年に最優秀中継ぎ賞に輝いた右腕は、右ヒジ手術を経て復活を遂げたかに思えた。しかし、6月26日の西武戦の8回、1点リードの場面で登板したがまさかの逆転満塁弾を浴びてしまう。そして翌27日の同カードも、2点リードの7回に今度は逆転3ランを許し、2夜連続の敗戦投手。直後、二軍での再調整が決まった。

 今季は、基本的に6連戦が続いていく。それだけに、球数、疲労度などを綿密に考慮に入れながら、例年以上に役割分担を明確にして投手起用をしていく必要がある。勝ちパターンで、果たして誰を「7回」にあてはめていくのか。好調の左腕・嘉弥真新也、昨季新人王のサブマリン・高橋礼、2年目の右腕・泉圭輔、ルーキーのサイドハンド・津森宥紀ら、好調な投手を見極めながらの継投を行っている現状だ。最有力候補は高橋になるだろうが、現時点では、まだ絶対的な「7回の男」が出てきていない。
 

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