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MLB

大谷翔平、復帰戦で空振りゼロ、最速154キロに終わったのは「正W」の新フォームが原因?

SLUGGER編集部

2020.07.27

大谷の復帰戦はまさかの1アウトも取れずに終わる、衝撃的な結果になってしまった。(C)Getty Images

大谷の復帰戦はまさかの1アウトも取れずに終わる、衝撃的な結果になってしまった。(C)Getty Images

 大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が693日ぶりにメジャーのマウンドへ帰ってきた。しかし日本のみならずアメリカでも大きく注目された復帰登板は、1アウトも取れずに降板するという、あまりに苦過ぎるものだった。

 メジャー1年目の2018年に右ヒジを痛め、9月2日を最後に実戦から離れていた大谷。693日の歳月を経て、デビュー戦と同じ相手(オークランド・アスレティックス)、同じ球場という運命めいたものさえ感じる復帰戦となったものの、その姿は本来とはまったく違った。

 初回、注目された初球は93マイル(約148キロ)の4シーム。平均96.7マイル(155.6キロ)を計時した1年目から大きく落ちたスピードに、一抹の不安も感じた中、2球目の速球をセンター前に運ばれて出塁を許す。ちなみに、先頭のマーカス・セミエンはデビュー戦で初対戦した打者であり、この時は初三振を記録した相手、そして7回途中まで完全試合を演じた時に快挙を破られた選手でもある。
 
 前日の会見で「四球はつきもの」と語っていたが、ここからまさかの3者連続フォアボール。何と復帰戦は押し出し四球で失点することになった。ここでコーチが声を掛けに行くが、5番のマーク・カナにフルカウントからライト前ヒットで3点目、次の打者にもタイムリーを許したところで、ジョー・マッドン監督は交代を言い渡した。

 復帰戦は1アウトも取れずに5失点で防御率は∞(無限大)、3安打、3四球、三振はもちろん空振りも一球すらない“屈辱”のパフォーマンスとなった。30球を投げてストライクはわずか15球、94マイル(151キロ)以上は5球、最速は94.7マイル(152.4)と豪腕の姿はなく、代名詞のスプリッターもわずか1球だけだった。

 苦しい復帰登板となったものの、明らかに調整が足りていない様子はサマーキャンプの段階から見て取れた。ヒジの負荷を減らすため「逆W」から「正W」(左足が着地した時、手首がヒジより高くある状態)と、コンパクトな新フォームにまだ馴染んでいないのは明白で、練習試合でもフォアボールを連発。制球面は今後実戦を重ねる中で調整はできるだろうが、配球面、出力面に関しては不透明な部分も多い。

 二刀流の"完全復活"は、まだ先になりそうだ。

構成●SLUGGER編集部

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