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プロ野球

ニールの連勝記録が「13」でストップ。1位は田中将大だが、他の上位者は? 足かけ5年で達成した“和製トラボルタ”も

新井裕貴(SLUGGER編集部)

2020.08.01

ニールの連勝記録は外国人投手歴代2位で終了。1位・田中の28連勝は人外と呼ぶほかない。写真:田口有史(田中)、徳原隆元(ニール)

ニールの連勝記録は外国人投手歴代2位で終了。1位・田中の28連勝は人外と呼ぶほかない。写真:田口有史(田中)、徳原隆元(ニール)

 7月31日に行われたソフトバンク戦で、西武・ニールの昨年から続いていた連勝記録が「13」でストップした。昨年6月20日の中日戦から約1年近く負け知らずだったニールの13連勝は、郭泰源に並ぶ外国人歴代2位の記録となった。

 果たして外国人1位は、何の縁かニールに黒星をつけた相手球団に今も在籍している。2015年に来日した豪腕、ソフトバンクのバンデンハークである。1年目に9勝0敗を上げたバンデンは、翌16年に足かけ14連勝を達成。これは外国人連勝記録を更新しただけでなく、堀内恒夫(巨人)が持つプロ初登板からの連勝記録をも打ち破る快挙となった。

 もっともご存知の通り、プロ野球の連勝記録はその遙か先にある。1位はもちろん、2013年に「24勝0敗1セーブ」という、今後現れないであろう大記録を打ち立てた田中将大(楽天)だ。連勝記録自体は前年8月から続いており、プロ野球記録は「28連勝」。バンデンハークの実に2倍という点に、その凄みが凝縮されているだろう。

 その田中に破られるまでは、プロ2年目に19連勝(前年に1勝)を記録して最優秀防御率&最高勝率&新人王に輝いた松田清(巨人)、「神様、仏様、稲尾様」と呼ばれた稲尾和久(西鉄)の「20連勝」がプロ野球記録として半世紀以上にわたり君臨していた。
 
 その松田や、バンデン、堀内をはじめ、連勝記録の上位にはキャリアの浅い選手が上位に入っているのが面白い。上原浩治も1999年のルーキーイヤーに15連勝を達成している。こうした傾向があるのは、もしかしたら新人選手はデータがまだ集まっておらず、また初めからローテーション頭で投げることが少ないことも影響しているのかもしれない。

 連勝記録上位勢にはタイトルホルダーが何人も並んでいる中、一際異彩を放っているのが、「足かけ5年」(!)で18連勝を記録した阪神・中田良弘だ。“和製トラボルタ”(ジョン・トラボルタ似のイケメン)の愛称で親しまれた中田は、先発とリリーフをこなしながら1年目の1981年に6勝5敗8セーブを挙げた。連勝記録はその年の7月から始まったが、翌年は右肩痛に苦しんでわずか1登板。83年は18登板しながら勝利投手になることはなかった。が、負けもしなかった。

 そして85年、中田は先発ローテーションに組み込まれると、まさかの9連勝。81年の4連勝→1勝→0勝→4勝ときて、足かけ5年での18連勝を達成したのだった。その後は不振や故障もあって活躍を続けることはできず、プロ14年のキャリアで上げた白星は33。あの斉藤和巳らを凌ぐ連勝記録を達成した男としては、やや寂しい数字に終わった。しかし、18連勝を達成した1985年は、阪神が日本一を達成した唯一のシーズンである。おそらく中田の勇姿は、当時を知るファンからしたら数字以上にインパクトがあるのではないだろうか。

【連勝記録ランキング】
1位:田中将大(楽天)/28連勝/2012~13年
2位:松田清(巨人)/20連勝/1951年~52年
   稲尾和久(西鉄)/20連勝/1957年
4位:中田良弘(阪神)/18連勝/1981年~85年
5位:足立光宏(阪急)/17連勝/1970年~71年
6位:斉藤和巳(ダイエー)/16連勝/2003年
7位:高橋一三(巨人)/15連勝/1969年
   間柴茂有(日本ハム)/15連勝/1981年
   上原浩治(巨人)/15連勝/1999年
   斉藤和巳(ソフトバンク)/15連勝/2005年
※2リーグ制後

文●新井裕貴(SLUGGER編集部) 

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