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大谷翔平、“投手絶望”からの第1打席で今季3号アーチ!2年前もTJ手術決定の報道直後に一発を放ち、現地記者は「デジャブ」と脱帽

SLUGGER編集部

2020.08.07

今季のピッチャー断念が決まった中、打者復帰第1打席にホームランを放った大谷。しかし、この衝撃は今日が初めてではない。(C)Getty Images

今季のピッチャー断念が決まった中、打者復帰第1打席にホームランを放った大谷。しかし、この衝撃は今日が初めてではない。(C)Getty Images

 この男に、「不可能」という文字はないのだろうか。

 ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平が現地時間6日、「4番・DH」で敵地シアトル・マリナーズ戦に先発出場すると、2回の第1打席に先制となる今季3号ホームランを放った。2日前に右回内屈筋群の損傷が発覚してからの最初の打席に、だ。

 二刀流復帰イヤーとなった今季、大谷は7月26日のオークランド・アスレティックス戦で693日ぶりのマウンドに上がるも、1アウトも取れずに5失点KOを喫する。そして8月2日の第2戦では試合中に突如、球速が低下。試合後に右腕の違和感を訴えた大谷はMRI検査を受けると、右回内屈筋群の損傷が発覚した。投球再開には4~6週間を要するとのことで、ジョー・マッドン監督は今季投手で起用しないことを明言したのだった。

 そんな悲しい雰囲気が立ちこめた中、打者として初出場した試合でいきなりホームランの離れ業なのだから、その驚きたるや言わずもがなだろう。しかし、大谷が「悲報」を払拭する一打を記録したのは、この日が初めてではない。2年前の2018年にも、大谷は同じように衝撃的な活躍を見せている。
 
 渡米1年目の6月に右ヒジを痛めた大谷は、万全を期して9月2日のアストロズ戦で投手復帰を果たす。しかし、試合中に球速が大幅に下降すると、5日の試合前に、球団のメディカルスタッフからトミー・ジョン(TJ)手術を受けるように宣告されるのだった。現地メディアが一斉に「大谷TJ手術」と報じ、メジャー1世紀ぶりの二刀流が断念されるのに嘆き悲しむムードが漂ったのだが、やはり“スター”は役者が違った。

 5日のテキサス・レンジャーズ戦で「3番・DH」で出場した大谷は、第1打席に四球、第2打席は内野安打で2打席連続出塁。そして第3打席には、何とホームランを放って周囲を驚かせてみせるのだ。続く打席でもセンター前ヒット、そして8回の第5打席ではこの日2本目となる一発を叩き込む。“投手絶望”の知らせを受けた直後に、4打数4安打2本塁打1盗塁の大活躍を見せ、悲報を完全に忘れさせてみせたのだ。

 そして2年越しの今日の試合も、投手としてシーズンが投げられないことが判明した中で一発。4回の第2打席も四球で出塁している。この“デジャブ”のような活躍に、MLB.comでエンジェルス番を務めるレット・ボリンガー記者も「TJ手術が必要だと言われた、2018年9月5日の夜の試合を思い起こすものだ」と、あの夜の再現を認めている。

 投手としての大谷は今季見ることはできない。しかし、この後も「打者・大谷」の活躍が見られることの喜びを、享受していこうではないか。

構成●SLUGGER編集部

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