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高校野球

1試合の投球数に際限がなくていいのか。両エースが最後まで一人で投げ抜いた熱戦に感じた疑問

氏原英明

2020.08.12

プロ注目の中京大中京・高橋は延長10回、149球を一人で投げ抜いた。写真:徳原隆元

プロ注目の中京大中京・高橋は延長10回、149球を一人で投げ抜いた。写真:徳原隆元

 日本高校野球連盟はこの熱戦から何を感じただろうか。

 甲子園交流試合の3日目の第1試合。中京大中京対智弁学園の強豪校同士の対戦は、延長10回タイブレークにもつれ込む大熱戦の末に、中京大中京が4対3でサヨナラ勝ちした。

 中京大中京が1回に3点を先行し、智弁学園が4回に3点を返した試合は、手に汗握る好ゲームでどちらに転ぶか分からなかった。その中で、両校のエースが最後まで投げ抜いた。投球数は中京大中京のエース・高橋宏斗が149球、智弁学園の先発・西村王雅は150球だった。

 今年度から導入された規定により球数制限(1週間500球以内)は一応は設けられてはいるものの、この日可能な投球数は高橋が370球、西村は500球だった。実質的にこの日の二人はほぼ際限なく投げられたわけだが、それは果たして正しいことなのか。

 この日の試合がまさにそうだったように、拮抗したゲーム展開になると、投手交代のタイミングは難しい。
 
 高橋は序盤から150キロ台のストレートを連発。4回に制球難から3点を失ったものの、その後は安定したピッチングを披露していた。分かっていても空振りが取れるストレートに加え、ツーシームやスライダーを投げ分け、まさに超高校級のピッチングだった。終盤は気持ちも入り、付け入る隙はほとんどなかった。

 一方、智弁学園の2年生エース西村も尻上がりに調子を上げ、要所を締めていた。ストレートとスライダー、チェンジアップを投げ分けた巧みな投球。「交代のタイミングは9回表の代打くらい」。智弁学園の指揮官・小坂将商監督がそう語るのも頷ける。

 日本高野連が考えるべきは、勝っても負けても1試合で終わりという今大会のフォーマットでも指揮官がこうした起用を選択したという事実だ。

 この日の起用法について、中京大中京の指揮官・高橋源一郎監督は「今日は決勝戦のつもりだった」と語り、次のように続けた。
 

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