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MLB

ダルビッシュ、6回まで無失点の好投も7回に痛恨弾を浴びて敗戦投手に。カブスは2試合で1点しか取れずスウィープ負け

SLUGGER編集部

2020.10.03

1球のミスから無念の降板となったダルビッシュ。“ただの好投”では、今のカブスを勝たせることはできなかった。(C)Getty Images

1球のミスから無念の降板となったダルビッシュ。“ただの好投”では、今のカブスを勝たせることはできなかった。(C)Getty Images

 1球のミスが、好投を台無しにしてしまった。

 シカゴ・カブスのダルビッシュ有は現地時間2日、マイアミ・マーリンズとの3戦制ワイルドカード・シリーズ第2戦に先発。初戦に敗れたカブスは負けたら今季終了となる一戦で、ダルビッシュは6回まで無失点ピッチングを披露するも、7回に一発を含む2点を失って敗戦投手になった。

 天候不良で1日ずれた第2戦、スライド登板したダルビッシュは初回から3回まで1四球のみの無安打投球と上々の立ち上がりを見せる。4回の先頭にこの日初安打を浴び、続く打者に死球を与えてしまうが、3番を遊ゴロ併殺、4番を三振に仕留めて無失点。

 直後の攻撃、カブスは連続四球からチャンスを作り、1死後にジェイソン・ヘイワードがヒットでつないだものの、二塁走者が暴走気味に本塁へ突入してあえなく憤死してしまう。流れがマーリンズに行きかけた5回表、右翼のヘイワードが敗走キャッチを見せ、続くフェンス直撃の当たりも、左翼のカイル・シュワーバーが見事な送球で二塁を狙う走者をアウトにするなどバットが振るわない野手陣が守備でエースを援護した。
 
 6回も無失点に抑えたダルビッシュは、7回も簡単に2アウトまで稼ぎ、この日2三振の4番打者も2ストライクに追い込んだ。しかし、首を振って投げた5球目のカッターはやや力強さに欠けた球になり、高々と上がった打球はまさかまさかの一発となってしまった。せめて1失点にとどめたいところだったが、続く打者も2ストライクから二塁打を浴び、申告敬遠後の6番にタイムリーを浴びて2失点。

 1球で一気に風向きが変わり、ダルビッシュは今季初の途中降板となった。それでも6.2回5安打2失点、2四球6奪三振と決して悪い内容ではなかったが、4回、5回満塁のチャンスを潰した不振にあえぐカブス打線を考えれば、先取点はあまりにあまりに重たい1点だったのは事実だろう。試合はこのまま2対0でマーリンズが勝利し、シリーズ突破を決めた。

 振り返れば、カブスとマーリンズは非常に因縁めいたものがあった。2003年のナ・リーグ優勝決定シリーズ第6戦、カブス58年ぶりのワールドシリーズまであと1勝に迫り、8回表まで3対1とリードしていたが、ファンがファウルフライの捕球を妨害したことがきっかけで大逆転負け。続く第7戦も敗退した屈辱のシーズンも、相対したのはマーリンズだった。

 同じ相手に、同じ球場で、しかも下馬評では上回りながらも敗戦。俗に言う「スティーブ・バートマン事件」は2016年の世界一で解決したはずだが、カブスファンにはそれを思わせるような今年のポストシーズンだったかもしれない。

構成●SLUGGER編集部
 
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