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プロ野球

巨人のクリーンナップトリオを“打点ゼロ“に封殺!ソフトバンク3連勝の裏に甲斐拓也の頭脳アリ

喜瀬雅則

2020.11.25

第3戦でムーアをノーヒットの快投に導いた甲斐(写真右)。工藤監督も「3連勝の立役者」と絶賛する。写真:田口有史

第3戦でムーアをノーヒットの快投に導いた甲斐(写真右)。工藤監督も「3連勝の立役者」と絶賛する。写真:田口有史

 チーム打率、得点、安打、本塁打、長打率、出塁率、さらには得点圏打率。リーグこそ違うが、レギュラーシーズンの120試合で比較すると、これらすべての部門で、巨人はソフトバンクを上回っている。

 その強力打線を、ソフトバンク投手陣は3試合で計10安打、3得点に封じている。第3戦はムーア、モイネロ、森唯斗の“鉄板”の継投で、9回2死まで無安打。最後の最後で丸佳浩にセンター前ヒットを許して“継投ノーヒットノーラン”は露と消えたが、1安打完封リレーで4年連続日本一へ王手をかけた。これら投手陣の好投の原動力に、27イニングすべてでマスクをかぶり続けている甲斐拓也の貴重な働きを見逃すことはできない。

 その象徴ともいえるのが、巨人のクリーンナップ3人に、3試合でいまだに打点を挙げさせていないことだろう。

3番・坂本勇人 10打数2安打 5三振
4番・岡本和真 10打数1安打 3三振
5番・丸佳浩 11打数2安打 2三振
 
 岡本に至っては、第2戦のセンター前ヒットを除けば打球が外野にすら飛んでいない。この“中軸完全制圧”の要因は、甲斐の研究し尽くした配球にある。

 昨年の日本シリーズで、甲斐は坂本に対して徹底した内角攻めを繰り返し、4試合でたったの1安打、打率.077に抑え込んだ。その“1年前の撒き餌”も生かしているのだろう。今シリーズでは、要所で外角を突く配球が目立つ。

 第3戦でも1回1死二塁の場面で打席に坂本を迎えると、5球連続で内角を要求した後、今度は外角を2球続けた。そして、カウント3-2からの8球目。内と外のどちらに来るか迷ったであろう坂本に対し、ムーアが投じたのは138キロのチェンジアップだった。両サイドへの150キロを超えるストレートを見せられていただけに、坂本は虚を突かれたかのように空振りの三振に終わった。
 
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