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プロ野球

このチームでならまだやれる!?「マッチング」から考える戦力外選手たちの新天地

出野哲也

2020.12.05

150キロに迫るストレートとフォークが武器の松田。一軍での実績もあり、獲得に動く球団はありそうだ。写真:産経新聞社

150キロに迫るストレートとフォークが武器の松田。一軍での実績もあり、獲得に動く球団はありそうだ。写真:産経新聞社

今年も多くの選手が非情の戦力外通告を受けた。だが、その中には環境を変えればまだ十分やれそうな選手もいる。そこで、それぞれのチーム事情も踏まえながら、5人の戦力外選手の「新天地」を模索してみた。

▼宮國椋丞(元巨人)→ヤクルト
成績は振るわなかった(防御率5.33)とはいえ、今季も一軍で21試合投げていた宮国への突然の戦力外通告には驚かされた。フォーム変更が上手く行かず、球速も落ちていることが原因と言われている。だが、元巨人投手コーチとして良かった頃を知る尾花高夫がヤクルトに入団。かつての師匠の下でなら再生可能かもしれない。先発・リリーフどちらもこなせる点も、投壊状態のスワローズにはうってつけだろう。

▼松田遼馬(元ソフトバンク)→ロッテ
今季は一軍での登板機会がなかったけれども、19年は51試合で防御率3.81、52.0回で57三振を奪っていた。二軍では36試合で防御率2.25の好成績で、分厚い選手層を誇るホークスでなければ戦力外になっていなかった公算が高い。ヤクルト、西武も含めリリーフを必要としているチームは多いが、中でもロッテを勧めたい。メジャー挑戦を目指す澤村拓一が抜けそうな気配であるのはもちろん、古巣を見返す意味でも、打倒ソフトバンクを目指すチームは相性がいいはずだ。
 
▼田城飛翔(元ソフトバンク)→オリックス
19年にウエスタン・リーグ2位の打率.307、同1位の108安打を放っていたが、今季は37試合で.200の大不振。育成契約の打診を断ってトライアウトに臨むことを決めた。アベレージ型の左打ち外野手はどのチームでも余剰気味とはいえ、オリックスは西浦颯大が重病を患い、また他に同年代でこのタイプの選手もいないのでチャンスはありそうだ。また、若手野手の絶対数が少ない阪神にもフィットしそう。

▼近藤弘樹(元楽天)→広島
17年のドラフト1位指名右腕がたった3年で戦力外通告を受けて話題になった。確かに一軍では全然結果を残せていないし、二軍で際立った成績を挙げてもいない。それでも、今季も最速153キロを計時したストレートは魅力で、環境次第では化ける余地を残している。勤続疲労で中継ぎ陣にガタの来ている広島は、地元ということもあり再起を懸けるにふさわしい場所ではないだろうか。

▼田原誠次(元巨人)→西武
サイドスローの中継ぎとして長年活躍していたが、20年は一軍登板がないばかりか二軍でも防御率7点台と打ち込まれた。しかし35試合に登板するなど大きな故障があったわけではなく、環境が変わればまだやれるかもしれない。西武は同じ右サイドの平井克典に先発転向の可能性があり、そうでなくても使える投手は一人でも欲しいはずだ。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。
 

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