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プロ野球

48歳でトライアウトに挑む新庄剛志に贈りたい、フリオ・フランコからの“金言”

THE DIGEST編集部

2020.12.06

新庄(右)がいよいよトライアウトに挑む。彼の挑戦はまた、年齢と戦い続けた元ロッテのフランコ(左)とも通じるところがあるのではないか。(C)Getty Images

新庄(右)がいよいよトライアウトに挑む。彼の挑戦はまた、年齢と戦い続けた元ロッテのフランコ(左)とも通じるところがあるのではないか。(C)Getty Images

 12月7日、プロ野球12球団合同トライアウトが行われる。毎年、一定の注目は集めるものの、今年ほど開催前から話題になったことはないだろう。新庄剛志――13年ぶりのプロ野球復帰を目指す48歳の大スターが参加を表明したからだ。

 新庄の実績は言わずもがなだ。阪神では敬遠球を打ってのサヨナラ打など印象的な活躍を見せると、メジャーに移籍して日本人初のワールドシリーズ出場も果たした。帰国後は「これからはパ・リーグの時代です」との名言を残して日本ハムに加入し、2006年にチームを44年ぶりの日本一に導いてユニフォームを脱いだ“伝説的な”外野手だった。

 その後は実業家として活動し、バリ島なで暮らしていたが昨年11月、突如として「現役復帰」を明言。そして12月7日のトライアウト参戦を決めたわけである。もっとも、48歳での挑戦だ。周囲は「さすがに無理」「プロ野球は甘くない」といった声が多いように思う。

 今季、プロ野球では40代以上の選手が11人、最高齢は阪神の福留孝介で43歳だった。その福留もこのオフに自由契約となっており、まだ所属先が決まっていない。研究が進み、「野球選手のピークは野手が27歳前後、投手は30歳前後」と言われている中、動体視力や身体能力が劣えるベテランへの風向きは非常に厳しいのは間違いない。ましてや、新庄は野球から10数年も離れていたことを考えると、現役復帰への道のりは一層厳しいものになるのは想像に難くない。
 
 しかし、今の新庄の年齢(48歳)よりも長く、現役を続けた選手もいる。メジャーはもちろん、NPBでも鮮烈な活躍を見せたフリオ・フランコだ。50歳近くまで戦い続けた御大は、周囲の雑念など気にもしなかった。「年齢への挑戦」に対して、彼は強い信念を持っていたからだ。

 バットのグリップを高々と掲げ、先端を相手投手に向ける独特なフォームが持ち味のフランコは、1991年に首位打者を獲得すると、メジャーがストライキとなったことで1995年に来日を決断し、ロッテへ入団。この時36歳の“ロートル”だったが、リーグ3位の打率.306を記録するなどチームを2位に導き、ベストナインとゴールデン・グラブ賞を受賞する活躍を見せた。

 ストライキが終わり1年限りで海を渡ったが、「いつか必ず帰ってくる」との言葉を有言実行し、1998年に40歳で再来日。この時も18本塁打&OPS.843の好成績を残すと、その後は史上最高齢でのメジャー本塁打、グランドスラムなど数々の記録を樹立。

 メジャー通算2586安打、日本通算286安打、韓国で156安打、メキシコでも316本を記録するなど十分すぎる成績を残しながらも、野球への飽くなき情熱を持ったフランコは2015年、57歳の時にBCリーグ・石川と選手兼監督として契約を交わす。77打数24安打とまだまだバットは振れていたが、さすがにその後はコーチ“専任”となってKBOに在籍している。
 
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