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プロ野球

【1989世代の現在地】菅野と中田が投打で世代をリード、広島3連覇に貢献した「タナキクマル」、遅咲きの花を咲かせた阿部…

藤原彬

2021.01.20

左から菊池、菅野、中田、阿部。30歳を超えた89世代は球界の中心的存在となっている。写真:徳原隆元、田中研治、塚本凛平(THE DIGEST写真部)

左から菊池、菅野、中田、阿部。30歳を超えた89世代は球界の中心的存在となっている。写真:徳原隆元、田中研治、塚本凛平(THE DIGEST写真部)

「1989年世代(1989年4月2日~90年4月1日生まれ)」がいずれも30歳を過ぎて成熟期に差し掛かり、その多くがキャリアの岐路を迎えている。これまでの活躍と、彼らの現在地を確認しよう。

■明暗がくっきりと分かれた“ビッグ3”×2
 この世代でプロ入り前から大きな関心を呼んだのが、2組の“ビッグ3”だ。まずは、2007年高校生ドラフトで1位指名を独占した3人が世間の耳目を集めた。

 大阪桐蔭高で1年時から注目を浴びた中田翔は、当時の高校生歴代最多となる通算87本塁打の記録を引っ提げて日本ハムに入団。本塁打王になかなか届かないもどかしさはあるが、昨季は3度目の打点王に輝くなど主砲の責務を果たしている。大きな故障もなく、12年間で記録した通算257本塁打と937打点は堂々の世代最多だ。

 成田高からロッテに入団した唐川侑己は、高卒1年目から先発ローテーション入りを果たした。だが、先発としては伸び悩み、18年の救援転向を境にカットボールを投球の軸に据えて新境地を開いている。昨季は初登板から17試合連続無失点を記録し、セットアッパーとして防御率1.19の好成績でチームの快進撃を支えた。
 
 佐藤由規は仙台育英高時代に唸りを上げるような剛速球で甲子園を沸かせた。ドラフトでは5球団から1位指名されてヤクルト入り。10年には当時の日本人最速161キロを叩き出すなどファンに夢を与えた。だが、翌年以降は故障に苦しみ、ヤクルトを自由契約になって移った地元球団の楽天でも輝きは取り戻せず。昨季終了後に2度目の戦力外通告を受けた。

 4年後の11年ドラフトでは、3人の大学生投手が即戦力として脚光を浴びた。

 菅野智之は東海大で世代トップの評価を集めるまで成長したが、11年ドラフトで交渉権を獲得した日本ハムへの入団を拒否し、翌年のドラフトで巨人入りした。開幕13連勝を飾ったプロ8年目の昨季は通算100勝の節目にも到達して、自身2度目のMVPに選出。沢村賞も2度受賞し、手にした個人タイトルは10個と、積み上げた実績は同世代で群を抜く。

 明治大から広島に入団した野村祐輔は、プロ1年目に防御率1.98の活躍で新人王を受賞。16、17年も2点台の安定感でチームのリーグ優勝に貢献した。通算77勝は菅野に次ぐ世代2位だが、近年は怪我がちでフルシーズンをまっとうできていない。
 

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