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プロ野球

オリックス能見篤史は「先発」で新シーズンへ!コーチ兼任ながら今年は「選手優先」〈SLUGGER〉

北野正樹

2021.01.26

能見は「1年目のつもりでキャンプインし、まずは戦力になりたい」と意気込みを語った。写真:球団提供

能見は「1年目のつもりでキャンプインし、まずは戦力になりたい」と意気込みを語った。写真:球団提供

 阪神を戦力外となってオリックスに移籍した投手コーチ兼任の能見篤史投手が26日、大阪市此花区のオセアンバファローズスタジアム舞洲で自主トレ後に取材に応じた。今年5月に42歳となる左腕は「肩やひじは丈夫で、投げることに不安は一切ない。1年目のつもりでキャンプインし、まずは戦力になりたい」と17年目のシーズンに向けて抱負を語った。

 沖縄で行なった12日間の自主トレの成果を披露するかのように、ブルペンで捕手を座らせテンポよく16球を投げ込んだ。「何年か前から、打者に考える時間を与えたくないので、(捕手からの返球を)受け取ったらすぐに投げるように、1球1球の間隔を変えた。隣で投げた投手が合わせてくれて申し訳なかった」と苦笑い。「沖縄ではある程度、形を仕上げることを目標にして、しっかりと投げることが出来た。あとはしっかりと仕上げていくだけ。順調だと思う」と思い通りの調整ぶりをうかがわせた。

 阪神での最後の2年間は中継ぎを務め、オリックスではコーチも兼任するが、中嶋聡監督との話し合いで、今季は「選手優先」と「先発」で臨む。しかし、「オリックスは能力の高い選手が多い。いい成績を残してもらうためにも手助けし、僕も一緒に成長したい」と肩書に関係なく、アドバイスを送りチーム力アップにつなげる考えだ。若きエース・山本由伸は「長く現役を続けて、まだ150キロ近くのボールを投げられる秘訣を聞きたい」とアドバイスを熱望し、舞洲での昨年末の自主トレ期間中に助言を求めた選手も出てくるなど、相乗効果も表れつつある。
 
 先発に再転向すれば、2018年の広島戦以来のマウンド。それを見据えて沖縄では打撃投手やケースバッティングにも登板し、約150球を投げ込んできた。キャンプ初日にはブルペンに入る予定で「元々、球数を投げる方。先発のつもりで球数をしっかりと投げるつもり。中継ぎで調整してから先発に変わるのは無理なので、なるべく毎日、ブルペンに入りたい」と意気込む。

 キャンプでのテーマに、パ・リーグの打者への対応を掲げる。「セとパでは野球の質が違うと思う。スイングも力強い選手が多く、どう対応するかが課題になる。配球も含めて(チーム内の)いろんな選手に聞いて、自分のボールとも相談しながら勝負が出来るものを探っていきたい」と貪欲。

「まずは戦力にならないと話にならない。いいピッチャーがいっぱいいるので、アピールしていきたい」。プロ16年間で443試合に登板し、104勝(93敗)を挙げた能見。変わらぬ謙虚さで臨むベテランが、勝ち切れなかったチームを変えてくれずはずだ。

文●北野正樹(フリーライター)

【著者プロフィール】
きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。

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