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プロ野球

【セ・リーグ第2節展望】阪神vs広島初戦は“無敗同士の対決”に。未勝利のDeNAとヤクルトはどちらが先に白星を挙げる?

氏原英明

2021.03.30

昨季の沢村賞投手・大野が満を持して登場。本拠地では昨年9月8日以降、41イニング連続無失点をいまだ継続中だ。写真:産経新聞社

昨季の沢村賞投手・大野が満を持して登場。本拠地では昨年9月8日以降、41イニング連続無失点をいまだ継続中だ。写真:産経新聞社

 先発ローテーションは、その順番がそのまま先発投手の序列を意味するわけではない。多くの場合、開幕投手がファーストチョイスだとすると、セカンドに位置するのは2戦目のカード頭となる。対戦相手との相性から開幕投手と2カード目の頭とを入れ替える球団もあるので、開幕2カード目の初戦は好投手同士の対決となることも多い。

 セ・リーグの今節のカード頭のマッチアップは興味深いものばかりだ。注目カードから順に上げていきたい。

●中日-巨人(バンテリンドーム)
 中日の先発は昨季の沢村賞・大野雄大が務める。本来なら開幕投手を務めてもおかしくないが、宿敵・巨人との今季初対戦のマウンドを任された。昨季の対巨人成績は、2勝2と五分だが防御率は1.32。3試合で完投している(2勝1敗)。バンテリンドーム全体では9勝2敗、防御率1.14と圧倒的な数字で5完封。真打登場のホーム開幕となるだろう。

 一方の巨人の予告先発はサンチェス。来日1年目の昨季は15試合を投げて8勝4敗。右肩痛で1か月ほど離脱したが、防御率は3.08と安定していた。アメリカ、韓国時代から真面目な性格で知られ、それが昨季の成功につながったのだろう。エース大野対エース格のサンチェス。2人のピッチングは要注目だ。
 
●広島-阪神(マツダスタジアム)
 広島は森下暢仁、阪神は西勇輝の両先発が発表されている。昨季ルーキーだった森下は18試合に登板して10勝3敗。規定投球回数もクリアして、防御率はリーグ2位の1.91をマーク、当然のように新人王を獲得した。対阪神戦は4戦で3勝負けなし。

 西は開幕投手を藤浪晋太郎に譲って、広島戦に回った。こちらも広島とは好相性だ。昨季は6戦に投げて4勝0敗。防御率2.00に封じ込めている。いってみれば、“無敗同士の投げ合い”ということになる。

 ちなみに昨季、2人の投げ合いは8月28日に一度だけあったが、この時は両者勝敗なしに終わっている。開幕カードでは、阪神打線が好調。広島も残塁が目立ったものの、打線の調子自体は悪くない。森下はルーキーの佐藤輝明をどう抑えるかも注目になるだろうし、西も鈴木誠也、菊池涼介には昨季打たれているだけに、2人との対決が勝敗を分けるポイントになりそうだ。

●DeNA-ヤクルト(横浜スタジアム)
 DeNAは2敗1分けで、ヤクルトは3連敗。両チームともに開幕カードはつまずいただけに、巻き返しのカードとしたい。

 DeNAは初戦先発を大貫晋一に任せる。昨季はチームトップの10勝を挙げ、スターターとしての居場所を確立した。今年はカード頭を中心に回っていくことだろう。対ヤクルト戦は4戦3勝で、防御率1.99と好相性を誇る。外国人選手が合流してベストメンバーを組むまでは我慢のしどころで、この辺りでチーム初勝利をもたらしたい。

 ヤクルトはスアレスがマウンドに上がる。昨季は開幕から4連勝したものの、その後は4連敗してシーズンを終えた。投げるボールには申し分なく、今季は1年間を通しての活躍が期待される。開幕カードでは3試合で21失点と投手陣が打ち込まれたため、この悪い流れを断ち切りたい。スアレスは昨季はDeNA戦の先発がなく、相手もやりにくさがあるだろう。強気のピッチングをしていきたい。

文●氏原英明

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。
 

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