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プロ野球

「日本人はあの負けをまだ…」オリックス助っ人ジョーンズが17年WBCと東京五輪への“本音”を吐露!

THE DIGEST編集部

2021.04.01

アメリカ代表として戦うことへの情熱をたぎらせるジョーンズは今夏のオリンピックに対する想いを明かした。 (C) Getty Images

アメリカ代表として戦うことへの情熱をたぎらせるジョーンズは今夏のオリンピックに対する想いを明かした。 (C) Getty Images

 球史に残るスーパーキャッチだった。

 遡ること約4年前に開催されたワールドベースボールクラシック(WBC)で、史上初の“世界制覇”に燃えていたアメリカは、勝者が準決勝に勝ち進む2次ラウンドの最終戦で強豪プエルトリコと対戦。その大一番で4-2と2点リードで迎えた7回だ。

 相手の強打者マニー・マチャドが放った右中間への大飛球を、フェンス際まで猛ダッシュで走っていたセンターのアダム・ジョーンズがジャンプ一番。目一杯に伸ばした左手で見事にキャッチしたのである。

 打った瞬間にホームランを確信していたマチャドが思わず苦笑いを浮かべて脱帽してしまうほどのミラクルプレーにスタジアム全体が活気づき、一気にアメリカWBC優勝への機運が高まったのは言うまでもない。事実、この試合を6-3で勝ち切った精鋭軍団は、準決勝で日本を破り、決勝でプエルトリコを撃破した。

 世紀のホームランキャッチを見せたジョーンズは奇しくも日本でプレーしている。昨シーズンにオリックス・バファローズに移籍し、今年も東洋の島国での2年目を謳歌している。

 現在35歳のジョーンズに、かつてマリナーズのトッププロスペクトとして大きな期待を背負った全盛期の面影はない。しかし、彼の野球に対する情熱はいまだ衰えていない。現地時間3月25日にMLBの公式サイトのインタビューに応じたジョーンズは、「日本でプレーすること、生活することはとても素晴らしい経験になっている」と語っている。

「すぐにプレーをやめるつもりはないよ。まだやれると感じているし、ここでのことは全てが貴重だからね。生活も自分がだれであるかは関係なく、きちんとリスペクトを持って接してくれる」

【動画】MLB公式も大絶賛! ジョーンズの歴史的スーパーキャッチシーンはこちら
 現在の心境を告白したジョーンズは、WBCでのファインプレーについて「完璧だね(笑)」と自画自賛したうえで、今夏に行なわれる東京オリンピックへの参戦も公言している。

「すでにオリックスは許可してくれている。WBCも凄かったけど、オリンピックは全く別物で、一生に一度のことだと思ってるよ。完全にエモーショナルな経験になるね。何億人という人々がテレビでチームを見るんだ。その一部になりたいと思うのは当然だ。僕が参加を辞退するのはまずない。もちろん招集されるかは重要だけど、そういう考えは理解できないんだ。誇り高いものだろ。チームUSAに多くの才能が集まることを祈っているよ」

 さらに“侍ジャパン”のオリンピックに懸ける熱量についてジョーンズは驚きを持って賛辞を送っている。

「多くの日本人にとって彼ら(代表選手)たちは偉大だ。そしてチームは本当に、本当にホームで勝ちたいと願っている。多くの日本人がいまだに2017年のWBCで僕らに負けたことを話している。あの時に味わった悔しさを彼らはまだ『勝つべきだった』と感じているんだ。それくらいに彼らは国際大会に懸けているんだよ」

 アメリカが東京オリンピックに参戦するためには、今年6月上旬に開催予定となっているドミニカ共和国、プエルトリコ、ニカラグア、キューバ、ベネズエラ、カナダ、コロンビアとの「大陸予選」を勝ち抜く必要がある。

 21年ぶりの金メダル獲得に向けてMLBは、トッププレーヤーの派遣に消極的な態度を崩していない。そうした課題が山積するなかにおいて、ジョーンズの“愛国心”に満ちた発言は、何よりも頼もしいと言えるだろう。

構成●THE DIGEST編集部
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