スプリング・トレーニングを通じて、「打者・大谷翔平」には迷いがないように見えた。オープン戦初戦から11試合連続安打を記録し、打率は一時.636にまで上昇した。キャンプの拠点テンピ・ディアブロ・スタジアムのバックスクリーンを超える特大ホームランを2度放ったかと思えば、がら空きの三塁線を抜く鮮やかな流し打ち技術も見せた。
最終的には13試合で打率.548、5本塁打。万全の状態で開幕を迎える。3月29日(日本時間30日)のドジャース戦後、大谷はここまでを振り返り、こう言った。
「キャンプで良かった試しは今までないので、もちろん打てないより打てた方がいいですし、抑えられないより抑えた方がいいのは当然のこと。必ずシーズン中も波があるものだと思ってますけど、それが来た時に、いい状態にすぐ戻れるような準備ができればいいかなと。そのためのキャンプだと思っているので」
短縮60試合のシーズンだった昨年、大谷は不振から抜け出せないまま終えた。8月中旬には、ジョー・マッドン監督に身ぶり手ぶりでアドバイスを受けながら特打で汗を流すこともあった。一時的に結果は出たが、続かなかった。「シーズン中も波がある」と話したように、昨季も好不調を繰り返した。 迷いが動きにも表れていた。練習や試合で足を上げる時もあれば、従来のようにトータップ(つま先を上げる)だけでタイミングを取ることもあった。それが、今年はここまでブレがない。試合の打席では一貫して従来の形で結果を残した。「構えが一番大事だと思っているので。バッティングに関しては、そこじゃないかなと思いますね。動きだしにつながるところ。まずはしっかり構えてどういう風に見えているか」。打席に立つ時の好感触をつかみ、安定してスウィングに集中できた。
打者で好調だったからこそ、マッドン監督の考える二刀流起用の幅も広がった。打撃力を生かすため、DHを解除して投打で同時出場する“リアル二刀流”や、基本的には休養日だった登板翌日の打者起用をオープン戦で試してきた。とはいえ、例年通り162試合の長いシーズンとなる今季、打撃の状態が悪くなることもあるだろう。
「必ず波があるものだと思うので、その時にどうするかが一番、大事」。本拠地エンジェル・スタジアムでホワイトソックスを迎える4月1日(日本時間2日)、まずは「打者・大谷」のメジャー4年目が幕を開ける。
文●斎藤庸裕
【著者プロフィール】
さいとう・のぶひろ。1983年、埼玉県生まれ。日刊スポーツ新聞社でプロ野球担当記者を務めた後サンディエゴ州立大学でスポーツビジネスを学ぶ。2018年から大谷翔平の担当記者を務める。日刊スポーツでコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」を配信中。
【大谷翔平PHOTO】全米に衝撃を与えた二刀流の活躍、はじける笑顔、日本代表での秘蔵ショットも大公開!
最終的には13試合で打率.548、5本塁打。万全の状態で開幕を迎える。3月29日(日本時間30日)のドジャース戦後、大谷はここまでを振り返り、こう言った。
「キャンプで良かった試しは今までないので、もちろん打てないより打てた方がいいですし、抑えられないより抑えた方がいいのは当然のこと。必ずシーズン中も波があるものだと思ってますけど、それが来た時に、いい状態にすぐ戻れるような準備ができればいいかなと。そのためのキャンプだと思っているので」
短縮60試合のシーズンだった昨年、大谷は不振から抜け出せないまま終えた。8月中旬には、ジョー・マッドン監督に身ぶり手ぶりでアドバイスを受けながら特打で汗を流すこともあった。一時的に結果は出たが、続かなかった。「シーズン中も波がある」と話したように、昨季も好不調を繰り返した。 迷いが動きにも表れていた。練習や試合で足を上げる時もあれば、従来のようにトータップ(つま先を上げる)だけでタイミングを取ることもあった。それが、今年はここまでブレがない。試合の打席では一貫して従来の形で結果を残した。「構えが一番大事だと思っているので。バッティングに関しては、そこじゃないかなと思いますね。動きだしにつながるところ。まずはしっかり構えてどういう風に見えているか」。打席に立つ時の好感触をつかみ、安定してスウィングに集中できた。
打者で好調だったからこそ、マッドン監督の考える二刀流起用の幅も広がった。打撃力を生かすため、DHを解除して投打で同時出場する“リアル二刀流”や、基本的には休養日だった登板翌日の打者起用をオープン戦で試してきた。とはいえ、例年通り162試合の長いシーズンとなる今季、打撃の状態が悪くなることもあるだろう。
「必ず波があるものだと思うので、その時にどうするかが一番、大事」。本拠地エンジェル・スタジアムでホワイトソックスを迎える4月1日(日本時間2日)、まずは「打者・大谷」のメジャー4年目が幕を開ける。
文●斎藤庸裕
【著者プロフィール】
さいとう・のぶひろ。1983年、埼玉県生まれ。日刊スポーツ新聞社でプロ野球担当記者を務めた後サンディエゴ州立大学でスポーツビジネスを学ぶ。2018年から大谷翔平の担当記者を務める。日刊スポーツでコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」を配信中。
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