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MLB

球界No1.右腕デグロムも6回無失点7Kで勝てず…。メッツの“風物詩”訪れで全米トレンド2位に

THE DIGEST編集部

2021.04.06

最強投手デグロムは圧巻のピッチングを見せたが……チームはいつも通り敗戦した。(C)Getty Images

最強投手デグロムは圧巻のピッチングを見せたが……チームはいつも通り敗戦した。(C)Getty Images

 4月5日、敵地に乗り込んでフィラデルフィア・フィリーズと対戦したニューヨーク・メッツは3-5で敗れた。メッツは本来の開幕カードがワシントン・ナショナルズと組まれていたのだが、新型コロナ陽性者が出たこともあって順延となり、5日の試合で遅ればせながらの“開幕”だった。

 大事な一戦とあって、メッツは予定通りの開幕投手であるメジャー最強投手の一人、ジェイコブ・デグロムを先発マウンドに送った。しかしある意味、”いつも通り”の光景がそこにあった。

 デグロムは2018~19年に2年連続でサイ・ヤング賞に輝いた超本格派。この日は”あえて”チェンジアップを一球も投げず、最速102.0マイル(約164キロ)、平均99.1マイル(約159キロ)の4シームと切れ味鋭いスライダーでフィリーズ打線を圧倒し、6回(77球)を3安打無失点、7奪三振の好投。打ってもチーム今シーズン初となるヒットを含む2安打1打点、まぎれもなく“デグロム・デー”だった。

 しかし、デグロム降板後、もはやメジャーリーグ・ファンにはお馴染みとなった予想通りの試合となる。8回、メッツのリリーフ陣が打ち込まれて一挙5失点。一瞬でデグロムの勝ち星が消え去ったのだ。
 
 初のサイ・ヤング賞に輝いた2018年、デグロムは2位に0.67差もつけて最優秀防御率のタイトルを獲得したが、勝ち星はわずか10、負けも9。翌年も11勝8敗、昨年も12先発で4勝2敗。とにかく勝ちがつかない投手なのだ。どういうわけか、デグロム登板日になると打線が沈黙することが多く、そしてデグロム降板後、ブルペン陣が炎上してしまう

 この試合を終え、デグロムは2018年以降に計77先発、防御率2.07という素晴らしい成績を残している。この間に300イニング以上を投げた投手ではダントツトップの数字だ。がしかし、自身も25勝19敗にとどまるだけでなく、何とチームは「36勝41敗」と負け越しているのだから救いようがない。

 4月5日のアメリカ・ツイッタートレンドにて、「deGrom」の単語は最高2位に入るなど、試合が終わっても上位に入っていた。これは彼のあまりに驚異的なピッチングに酔いしれていた人が多かったのもそうだけれども、「いつもメッツだ……」「デグロムを見殺しに」といったファンの嘆き節も目立っていた。

 勝ち星の多寡で、投手の実力を測れない好例が、メジャー最強投手というのは本当に皮肉だ。

構成●SLUGGER編集部
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