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MLB

「あの振る舞いは良くない」大谷翔平の”兄貴分”であるアストロズ正捕手が死球を受けた後の睨みに苦言

THE DIGEST編集部

2021.04.07

大谷の“元相棒”マルドナード(右)が、死球後の振る舞いを見て思ったことは?(C)Getty Images

大谷の“元相棒”マルドナード(右)が、死球後の振る舞いを見て思ったことは?(C)Getty Images

 ロサンゼルス・エンジェルスが現地時間4月5日、本拠地にヒューストン・アストロズを招いての一戦で物議をかもすシーンがあった。”主役”となったは、この日も大谷翔平だった。

 前日4日の試合でメジャー118年ぶりとなる「2番・投手」で出場した大谷は、初回に先制本塁打を放ち、5回途中まで無失点に抑えるリアル二刀流で奮闘していた。しかし、降板直前にはスライディングを足に食らって苦悶の表情を浮かべるなど、不穏な空気が漂っていた。

 5日のアストロズ戦では先発から外れていたが、3-5で迎えた8回裏、何と無死一二塁の場面で「代打・大谷」がアナウンスされるのだ。

 場内の誰もが勝負を期待していたが、3球目、ボールは外角に構えていた相手捕手とは真逆に抜け、大谷の足に直撃する死球になってしまう。やや肩透かしとなったものの、これでチャンスが拡大すると、エンジェルスは大谷の好走塁もあって逆転に成功。7-5で3連勝を収めたのだ。

 しかし試合後、「大谷への死球」が話題となる。一部の記者やファンの間で「故意死球だったのでは」との議論が生じたのだ。アストロズは2017年に組織的なサイン盗みをした”悪者”であり、好調なスターの調子を落とすためにそうした行為をしたと見られたようである。
 
 しかも、日本時代から温厚な性格で知られ、死球を受けても笑顔を見せることが多かった大谷が、この日は珍しく怒りの表情。さらにぶつけた相手投手を睨みつけ、一塁に向かいながらももう一度、じろりと目線をやったことで、少なくとも「大谷はわざとだと思った」という論調が生まれたというわけだ。

 しかし、故意死球疑惑について聞かれた”当事者”たちはこれを否定。ぶつけた右腕のジョー・スミスは、「彼の表情は見ていなかった。僕はすでに2人もランナーを抱えていて、1つのアウトも取れていなかった。そんな状況でわざとぶつけるなんてことはしないよ」と

 そして、アストロズの正捕手であるマーティン・マルドナードも故意死球を否定しつつ、大谷に対して”苦言”も呈した。2017年のゴールドグラバーは開口一番、「(大谷がにらんだことに)驚いたよ」と一言。そしてこう続けた。「あのような振る舞い方は良くないし、僕は好きじゃない。(大谷の性格を知っているから)本当に驚いたね」。

「ぶつけておいて何を言っている」と思う方もいるかもしれないが、大谷とマルドナードは2018年にエンジェルスでバッテリーを組んだ仲。しかも、敵軍で対戦することになっても抱き合ったりするほどの関係性であり、この日も、マルドナードの名前が場内アナウンスされた際は、本拠地ファンと同じように大谷も拍手で出迎えたほどである。

 そして、メジャー11年目を迎えた”兄貴分”は、死球がぶつかった直後、大谷が怒りの表情を浮かべるとすぐに駆け寄り、乱闘などが起きないように投手との間に入って仲裁する仕草も見せていた。おそらくマルドナードは今後、大谷がそうした表情を見せた時、相手選手の不興を買って不用意なトラブルが起きないようにするために、あえて注意したのだと思われる。

 今は敵と味方に分かれてはいるものの、大谷がメジャーで初めてバッテリーを組んだ”女房役”はとのつながりは、今でも継続しているようだ。

構成●THE DIGEST編集部
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