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プロ野球

いよいよベールを脱ぐプロ野球の新助っ人たちを一挙紹介!韓国で“神”と呼ばれた巨人のテームズ、捲土重来を期す楽天の元“不良債権男”…<SLUGGER>

藤原彬

2021.04.19

左からテームズ、エチェバリア、カスティーヨ。それぞれ持ち味は違うが、日本でどんなプレーを見せてくれるか楽しみだ。写真:GETTY IMAGES

左からテームズ、エチェバリア、カスティーヨ。それぞれ持ち味は違うが、日本でどんなプレーを見せてくれるか楽しみだ。写真:GETTY IMAGES

 コロナ禍で来日が遅れていた新外国人選手たちが、ここに来て続々とチームに合流している。その中でも、とりわけ注目に値する選手を紹介していこう。

■スモーク(巨人)
 メジャー通算11年で196本塁打を放ったスイッチヒッター。2007年に日米大学野球で来日し、08年ドラフトでは全体11位指名を受けるなど、早くから注目されていた。メジャーでは高い期待に応えきれない時期が続いたが、30歳で迎えた17年にリーグ5位の38本塁打と開花し、オールスターにも選出された。イチローとともにマリナーズの一員として参加した12年の日本開幕シリーズでホームランを放った姿を覚えているファンもいるだろう。

 ボールをじっくり見極めて打つタイプで、四球を多く選べるのも強み。典型的なプルヒッターで、メジャーでは外野4人など極端なシフトを敷かれて打率が低迷していたが、日本で対戦チームがどのような対策を練ってくるかも注目だ。

■テームズ(巨人)
 2011年にメジャーデビューしたが定位置をつかめず、チャンスを求めて14年に韓国球界入りすると、15年は47本塁打に加えて40盗塁を記録し、“神”と崇められた。メジャーに復帰した17年に31ホーマーを放ち、その後の「逆輸入」ブームの先鞭をつけた。19年にはプレーオフで大投手マックス・シャーザー(ナショナルズ)から本塁打を放っている。
 
 昨季はゴロを多く叩いて41試合で柵越えは3本のみだったが、スモークとタイプは似ていて、打率は低くともパワーと選球眼で貢献する。巨人入団が決まって自慢のヒゲを剃り、「すごく難しい」と言いながら日本語の勉強に取り組むなど、韓国での経験から異文化への適応も熟知しているはず。スモークとともに打線の起爆剤となりたい。

■カスティーヨ(楽天)
 2014年にキューバ出身選手史上最高額の7年7250万ドルでレッドソックス入り。だが、攻守とも期待を大きく裏切り、早くも3年目時点で構想から外れて以降は3Aで事実上の「塩漬け」。かつての井川慶と同じような扱いを受けた。

 タイプとしては中距離打者で、3Aではオールスターに出場したこともあったが、通算467試合で打率.293、42本塁打、51盗塁、OPS.761と飛び抜けた数字ではない。今季の年俸は6825万円と格安。もうすでに遊んで暮らせるだけの大金は手にしているはずだが、それでも海を渡ってきたのは、「このままでは終われない」という野球選手としての矜持だと思いたい。3A時代、メジャー昇格の見込みがないにもかかわらず毎朝一番に打撃練習をこなしていたという男の意地に期待だ。
 
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